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円に内接・外接する正多角形の周の長さを求める公式を作ってみたのでこれを使って正二十角形、正三十角形、正六十角形の周の長さを求めて、円周率との関係を求めてみます。
周の長さを求める公式
円に内接する正多角形の周の長さ
半径rの円に内接する正n角形の周の長さLniを求める式は以下のようになります。
Lni=2nrsin180°n(n=3,4,5,…)
本記事では半径は
r=1とするので
Lni=2nsin180°n(n=3,4,5,…)(1)
となります。
円に外接する正多角形の周の長さ
半径rの円に外接する正n角形の週の長さLnoを求める式は以下のようになります。
Lno=2nrtan180°n(n=3,4,5,…)
本記事では半径は
r=1とするので
Lno=2ntan180°n(n=3,4,5,…)(2)
となります。
正二十角形
円に内接する場合
半径
1の円に内接する正二十角形の周の長さを求めるには(1)の式に
n=20を代入して
L20i=2×20sin180°20=40sin9°
ここで、
sin9°=√10+√2−2√5−√58
なので、
L20i=40⋅√10+√2−2√5−√58=5(√10+√2−2√5−√5)
となります。
円周の長さは
2πで、円に内接する正二十角形の周の長さより長いので
2π>5(√10+√2−2√5−√5)π>5(√10+√2−2√5−√5)2≒3.129...(a)
円に外接する場合
半径
1の円に外接する正二十角形の周の長さを求めるには(2)の式に
n=20を代入して
L20o=2×20tan180°20=40tan9°
ここで
tan9°=√5+1−√5+2√5
なので、
L20o=40(√5+1−√5+2√5)
となります。
円周の長さは
2πで、円に外接する正二十角形の周の長さより短いので
2π<40(√5+1−√5+2√5)π<20(√5+1−√5+2√5)≒3.168...(b)
(a)、(b)より円に内接・外接する正二十角形の周の長さから円周率の値を調べてみると3.129<π<3.168の範囲にあることがわかります。
正三十角形
円に内接する場合
半径
1の円に内接する正三十角形の周の長さを求めるには(1)に
n=30を代入して
L30i=2×30sin180°30=60sin6°
ここで
sin6°=√30−6√5−√5−18
なので、
L30i=60⋅√30−6√5−√5−18=15(√30−6√5−√5−1)2
となります。
円周の長さは
2πで、円に内接する正三十角形の周の長さより長いので
2π>15(√30−6√5−√5−1)2π>15(√30−6√5−√5−1)4≒3.136...(c)
円に外接する場合
半径
1の円に外接する正三十角形の周の長さを求めるには(2)に
n=30を代入して
L30o=2×30tan180°30=60tan6°
ここで
tan6°=√10−2√5−√15+√32
なので、
L30o=60⋅√10−2√5−√15+√32=30(√10−2√5−√15+√3)
円周の長さは
2πで、円に外接する正三十角形の周の長さより短いので
2π<30(√10−2√5−√15+√3)π<15(√10−2√5−√15+√3)≒3.153...(d)
(c)、(d)より円に内接・外接する正三十角形の周の長さから円周率の値を調べてみると3.136<π<3.153の範囲にあることがわかります。
正六十角形
円に内接する場合
半径
1の円に内接する正六十角形の周の長さを求めるには(1)に
n=60を代入して
L60i=2×60sin180°60=120sin3°
ここで
sin3°=√30+√10−√6−√2−2√20−10√3+4√5−2√1516
なので
L60i=120⋅√30+√10−√6−√2−2√20−10√3+4√5−2√1516=15(√30+√10−√6−√2−2√20−10√3+4√5−2√15)2
となります。
円周の長さは
2πで、円に内接する正六十角形の周の長さより長いので
2π>15(√30+√10−√6−√2−2√20−10√3+4√5−2√15)2π>15(√30+√10−√6−√2−2√20−10√3+4√5−2√15)4≒3.140...(e)
円に外接する場合
半径
1の円に外接する正六十角形の周の長さを求めるには(2)に
n=60を代入して
L60o=2×60tan180°60=120tan3°
ここで
tan3°=√110−60√3+46√5−28√15+4−3√3+2√5−√152
なので
L60o=120⋅√110−60√3+96√5−28√15+4−3√3+2√5−√152=60(√110−60√3+46√5−28√15+4−3√3+2√5−√15)
となります。
円周の長さは
2πで、円に外接する正六十角形の周の長さより短いので
2π<60(√110−60√3+46√5−28√15+4−3√3+2√5−√15)π<30(√110−60√3+46√5−28√15+4−3√3+2√5−√15)≒3.144...(f)
(e)、(f)より円に内接・外接する正六十角形の周の長さから円周率の値を調べてみると3.140<π<3.144の範囲にあることがわかります。