例えば
f(x)=x3+3x2−2x+8をxで微分すると
f′(x)=3x2+6x−2となります。
これは
x3 → 3x23x2 → 6x−2x → −28 → 0
と項ごとに
xで微分したものを足し合わせていることがわかります。
なぜこれが成り立つのでしょうか?
微分の定義から考えます。
f(x)を
xで微分することは
f′(x)=limh→0f(x+h)−f(x)h
で表されます。
これをF(x)=f(x)+g(x)+h(x)+⋯に置き換えた場合はどうなるでしょうか?
F′(x)=limh→0F(x+h)−F(x)h=limh→0{f(x+h)+g(x+h)+h(x+h)+⋯}−{f(x)+g(x)+h(x)+⋯}h=limh→0{f(x+h)−f(x)}+{g(x+h)−g(x)}+{h(x+h)−h(x)}+⋯h=limh→0{f(x+h)−f(x)h+g(x+h)−g(x)h+h(x+h)−h(x)h+⋯}=limh→0f(x+h)−f(x)h+limh→0g(x+h)−g(x)h+limh→0h(x+h)−h(x)h+⋯=f′(x)+g′(x)+h′(x)+⋯
このように各関数の微分の和に変形できるため、多項式の関数の微分は項ごとに微分をすれば良いことがわかります。