文字を含む整式や分数式の逆数はどのように求めればよいでしょうか?
また、$\dfrac{4}{3}x$のような数の逆数はどのように求めればよいでしょうか?
ある数$a$の逆数とは、$a$に掛けて積が$1$になる数のことです。
すなわち、方程式
そして、$a$に掛けて$1$になるような$x$に適する数といえば
すなわち、方程式
\[ax=1\]
を満たす$x$のことを$a$の逆数と呼ぶということです。そして、$a$に掛けて$1$になるような$x$に適する数といえば
\[x=\frac{1}{a}\]
となります。
今度は、ある数$\dfrac{c}{b}$の逆数を考えてみます。
上記と同様に考えて
上記と同様に考えて
\[\frac{c}{b}y=1\]
を満たす$y$が$\dfrac{c}{b}$の逆数であり、これは
\[y=\frac{b}{c}\]
であることがわかります。
$\dfrac{c}{b}$と$\dfrac{b}{c}$という逆数の組に着目すると、互いに分母と分子が入れ替わっている数の組であることがわかります。
また、$a$と$\dfrac{1}{a}$の逆数の組は入れ替わっていないように見えますが、$a=\dfrac{a}{1}$と書けることを考えれば、この逆数の組も互いに分母と分子が入れ替わっている数の組であることがわかります。
また、$a$と$\dfrac{1}{a}$の逆数の組は入れ替わっていないように見えますが、$a=\dfrac{a}{1}$と書けることを考えれば、この逆数の組も互いに分母と分子が入れ替わっている数の組であることがわかります。
以上のことから、逆数の関係にある数の組には、1つの分数で表すと互いに分母と分子が入れ替わっているという特徴があることがいえます。
上記の逆数の特徴を利用し、1つの分数に直して分母と分子を入れ替えることで逆数を求めることができます。
例えば、
$2x$の逆数は$2x=\dfrac{2x}{1}$より$\dfrac{1}{2x}$、
$\dfrac{4}{x}$の逆数は$\dfrac{x}{4}$、
$3x+5y$の逆数は$3x+5y=\dfrac{3x+5y}{1}$より$\dfrac{1}{3x+5y}$となります。
では、例えば$\dfrac{4}{3}x$の逆数はなんでしょうか?
$\dfrac{4}{3}x$は$\dfrac{4}{3}$と$x$の積であるため、
\[\frac{4}{3}x=\frac{4}{3}\cdot x\]
のように因数分解できます。
ここで、$\dfrac{4}{3}$と$x$それぞれの逆数を$A,B$とおき、これらの積$AB$を$\dfrac{4}{3}x$に掛けると
このことから、$\dfrac{4}{3}$と$x$それぞれの逆数の積$AB$は、$\dfrac{4}{3}x$の逆数でもあることがわかります。
\begin{align*}\frac{4}{3}x\cdot AB&=\frac{4}{3}\cdot x\cdot A\cdot
B\\[0.5em]&=\left(\frac{4}{3}\cdot A\right)\cdot(x\cdot
B)&(\because交換法則\&結合法則)\\[0.5em]&=1\cdot1\\[0.5em]&=1\end{align*}
となります。
このことから、$\dfrac{4}{3}$と$x$それぞれの逆数の積$AB$は、$\dfrac{4}{3}x$の逆数でもあることがわかります。
$A,B$はそれぞれ
\begin{align*}A&=\frac{3}{4}\\[1em]B&=\frac{1}{x}\end{align*}
であることから、$\dfrac{4}{3}x$の逆数は$AB=\dfrac{3}{4x}$であることがわかります。
このように、積の形に分解してそれぞれの因数の逆数を求め、すべての因数の逆数を掛け合わせることで求めたい逆数を得ることができます。
また、以下のような方法でも逆数を求めることができます。
$\dfrac{4}{3}x$を積の形に分解した$\dfrac{4}{3}\cdot
x$は、分数の掛け算に従えば$\dfrac{4x}{3}$と書けます。
分母と分子を入れ替えて逆数を求めることができる形に変形することができたので、$\dfrac{4}{3}x$の逆数は$\dfrac{3}{4x}$であることがわかります。
分母と分子を入れ替えて逆数を求めることができる形に変形することができたので、$\dfrac{4}{3}x$の逆数は$\dfrac{3}{4x}$であることがわかります。
(2025/5)内容を変更しました。
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