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2022年4月11日

合成関数の微分

 合成関数の微分は
{f(g(x))}=f(g(x))g(x){f(g(x))}=f(g(x))g(x)
となりますが、これはなぜなのでしょうか?

 微分の定義式を考えると、f(x)f(x)xxで微分するとは
f(x)=limh0f(x+h)f(x)hf(x)=limh0f(x+h)f(x)h
xxで微分することを明確にして、平均変化率で求めることを意識すれば
df(x)dx=limh0f(x+h)f(x)(x+h)xdf(x)dx=limh0f(x+h)f(x)(x+h)x
となります。

 これをもとに合成関数の微分について考えます。

 合成関数f(g(x))f(g(x))xxの関数…ではなくg(x)g(x)の関数なので、f(g(x))f(g(x))g(x)g(x)で微分することは
df(g(x))dg(x)=limh0f(g(x)+h)f(g(x)){g(x)+h}g(x)
と書けます。

ここで変化量hについて考えます。
f(x)=limh0f(x+h)f(x)(x+h)x
においてはxの変化量を指しますが、(1)においてはg(x)の変化量を指します。

そしてg(x)xの関数であることを考えるとg(x)の変化量hとはxが変化した結果であると考えられるので
g(x)+h g(x+h)
と置き換えることができます。したがって、
df(g(x))dg(x)=limh0f(g(x+h))f(g(x))g(x+h)g(x)
となります。

 次にg(x)xで微分することは
dg(x)dx=limh0g(x+h)g(x)(x+h)x
と書けます。
(2)と(3)を掛けると
df(g(x))dg(x)dg(x)dx=limh0f(g(x+h))f(g(x))g(x+h)g(x)limh0g(x+h)g(x)(x+h)x
となります。

ここで(2)、(3)が極限値をもつ、すなわち微分可能であるならば
df(g(x))dg(x)dg(x)dx=limh0{f(g(x+h))f(g(x))g(x+h)g(x)g(x+h)g(x)(x+h)x}=limh0f(g(x+h))f(g(x))(x+h)x...(4)
となり、これはf(g(x))=F(x)とおけば
limh0F(x+h)F(x)(x+h)x
となるためF(x)、すなわちf(g(x))xで微分、すなわち{f(g(x))}であることを意味します。

(2)、(3)はそれぞれ
df(g(x))dg(x)=f(g(x)), dg(x)dx=g(x)
と書けるので(4)は
{f(g(x))}=f(g(x))g(x)
となることがわかります。

 ただしg(x)が定数関数などg(x+h)g(x)=0となるような関数の場合、分母が0になってしまい(2)の不定形が解消できないため極限値を持つかが不明になります。すると(4)が示せなくなるため合成関数f(g(x))の微分ができるかわからなくなってしまいます。
※微分の定義式も不定形になりますが、分母がhであるため解消できます。
なので、上記だけでは合成関数の微分の説明が十分にできません。

 一例として定数関数g(x)=c (c:)の場合微分できることを確かめてみます。
g(x)=cのとき、
f(g(x)=f(c)=k (k:)
となるので、微分の定義にしたがってxで微分すると
{f(g(x)}=limh0kkh=limh00h=limh00=0
となり、この場合合成関数は微分できることがわかります。
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