「次の複素数を極形式で表わせ。ただし偏角は
0≦θ<2πとする。
(1)2
(2)−3i
(3)−2√3+2i
(4)
5−5i」
複素数の直交形式
a+biは互いに垂直な実軸と虚軸をもとに複素数を表すもので、直交座標に似ています。
対して極形式
r(cosθ+isinθ)は原点を中心とする円と始線と動径のなす角がもとになっていて、円の半径(大きさ)
rと始線と動径のなす角(偏角)
θによって複素数を表します。
直交形式と極形式の関係は
a+bi=rcosθ+irsinθ=r(cosθ+isinθ)
であるので、
r=√a2+b2cosθ=arsinθ=br
となるようなr,θを求めて極形式に直します。
(1)
2の大きさはr=2です。
虚部がわかるように書くと2+0iなので
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⎪⎩cosθ=22=1...(i)sinθ=02=0...(ii)
となるようなθはθ=0です。
したがって、2=2(cos0+isin0)となります。
(2)
−3iの大きさはr=3です。
実部がわかるように書くと0−3iなので
⎧⎪
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⎪⎩cosθ=03=0...(i)sinθ=−33=−1...(ii)
となるようなθを求めます。
(i)を解くとθ=π2,32π、(ii)を解くとθ=32πなので(i)かつ(ii)を満たすのはθ=32πです。
したがって、−3i=3(cos32π+isin32π)となります。
(3)
−2√3+2iの大きさは実部と虚部を抜き出して
r=√(−2√3)2+22=4
です。
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⎪⎩cosθ=−2√34=−√32...(i)sinθ=24=12...(ii)
となるようなθは、(i)を解くとθ=5π6,7π6、(ii)を解くとθ=π6,56πなので、(i)かつ(ii)を満たすのはθ=56πです。
したがって、−2√3+2i=4(cos56π+isin56π)となります。
(4)
5−5iの大きさは
r=√52+(−5)2=5√2
です。
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⎪⎩cosθ=55√2=√22...(i)sinθ=−55√2=−√22...(ii)
となるようなθは、(i)を解くとθ=π4,74π、(ii)を解くとθ=54π,74πなので、(i)かつ(ii)を満たすのはθ=74πです。
したがって、5−5i=5√2(cos74π+isin74π)となります。
複素平面上で複素数がどこに位置するかを描いておけば偏角θの絞り込みが容易になります。