横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2022年4月7日

複素数の極形式

「次の複素数を極形式で表わせ。ただし偏角は$0\leqqθ<2\pi$とする。

(1)$2$

(2)$-3i$

(3)$-2\sqrt{3}+2i$

(4)$5-5i$」


 複素数の直交形式$a+bi$は互いに垂直な実軸と虚軸をもとに複素数を表すもので、直交座標に似ています。
対して極形式$r(\cosθ+i\sinθ)$は原点を中心とする円と始線と動径のなす角がもとになっていて、円の半径(大きさ)$r$と始線と動径のなす角(偏角)$θ$によって複素数を表します。

直交形式と極形式の関係は
\[a+bi=r\cosθ+ir\sinθ=r(\cosθ+i\sinθ)\]
であるので、
\begin{align*}r&=\sqrt{a^2+b^2}\\ \\ \cosθ&=\frac{a}{r}\\ \\ \sinθ&=\frac{b}{r}\end{align*}
となるような$r,θ$を求めて極形式に直します。

(1)

 $2$の大きさは$r=2$です。
虚部がわかるように書くと$2+0i$なので
\begin{align*}\left\{\begin{aligned}\cosθ&=\frac{2}{2}=1&...(i)\\ \\ \sinθ&=\frac{0}{2}=0&...(ii)\end{aligned}\right.\end{align*}
となるような$θ$は$θ=0$です。

したがって、$2=2(\cos0+i\sin0)$となります。

複素平面上では上図のようになります。

(2)

 $-3i$の大きさは$r=3$です。
実部がわかるように書くと$0-3i$なので
\begin{align*}\left\{\begin{aligned}\cosθ&=\frac{0}{3}=0&...(i)\\ \\ \sinθ&=\frac{-3}{3}=-1&...(ii)\end{aligned}\right.\end{align*}
となるような$θ$を求めます。
(i)を解くと$θ=\dfrac{\pi}{2},\dfrac{3}{2}\pi$、(ii)を解くと$θ=\dfrac{3}{2}\pi$なので(i)かつ(ii)を満たすのは$θ=\dfrac{3}{2}\pi$です。

したがって、$-3i=3\left(\cos\frac{3}{2}\pi+i\sin\frac{3}{2}\pi\right)$となります。

複素平面上では上図のようになります。

(3)

 $-2\sqrt{3}+2i$の大きさは実部と虚部を抜き出して
\[r=\sqrt{(-2\sqrt{3})^2+2^2}=4\]
です。
\begin{align*}\left\{\begin{aligned}\cosθ&=\frac{-2\sqrt{3}}{4}=-\frac{\sqrt{3}}{2}&...(i)\\ \\ \sinθ&=\frac{2}{4}=\frac{1}{2}&...(ii)\end{aligned}\right.\end{align*}
となるような$θ$は、(i)を解くと$θ=\frac{5\pi}{6},\frac{7\pi}{6}$、(ii)を解くと$θ=\frac{\pi}{6},\frac{5}{6}\pi$なので、(i)かつ(ii)を満たすのは$θ=\frac{5}{6}\pi$です。

したがって、$-2\sqrt{3}+2i=4\left(\cos\frac{5}{6}\pi+i\sin\frac{5}{6}\pi\right)$となります。

複素平面上では上図のようになります。

(4)

 $5-5i$の大きさは
\[r=\sqrt{5^2+(-5)^2}=5\sqrt{2}\]
です。
\begin{align*}\left\{\begin{aligned}\cosθ&=\frac{5}{5\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}}{2}&...(i)\\ \\ \sinθ&=\frac{-5}{5\sqrt{2}}=-\frac{\sqrt{2}}{2}&...(ii)\end{aligned}\right.\end{align*}
となるような$θ$は、(i)を解くと$θ=\frac{\pi}{4},\frac{7}{4}\pi$、(ii)を解くと$θ=\frac{5}{4}\pi,\frac{7}{4}\pi$なので、(i)かつ(ii)を満たすのは$θ=\frac{7}{4}\pi$です。

したがって、$5-5i=5\sqrt{2}\left(\cos\frac{7}{4}\pi+i\sin\frac{7}{4}\pi\right)$となります。

複素平面上では上図のようになります。

複素平面上で複素数がどこに位置するかを描いておけば偏角$θ$の絞り込みが容易になります。
Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

Blog Archive

PR

ブログランキング・にほんブログ村へ