「$f(x)=|x+3|-|x-2|$であるとき、$x$によって$f(x)$はどのように変化するか?」
このような問題はどのように解けばよいでしょうか?
$f(x)$を求めるにはまずは絶対値を外したときの結果が変わる$x$の値を調べる必要があります。
絶対値は$|x|$の場合
\begin{align*}x<0&のとき\\ |x|&=-x\\[1em]x\geqq0&のとき\\
|x|=x\end{align*}
のように$x$の範囲で絶対値を外したときの結果が変わります。これを数直線で表すと
のようになります。
このように絶対値を含む式は絶対値を外したときの結果が変わる$x$の値の範囲が重要になります。
なので$f(x)$に対応した絶対値を外したときの結果が変わる$x$の値の範囲を表す数直線をつくってみます。
そのためには
なので$f(x)$に対応した絶対値を外したときの結果が変わる$x$の値の範囲を表す数直線をつくってみます。
そのためには
- それぞれの絶対値が$0$になる条件を調べる。
- それを数直線上に描く。
- 上図のように絶対値の計算結果が変わる$x$の範囲を考える。
1. $0$になる条件を調べる
それぞれの絶対値が$0$になる$x$の値を調べます。
絶対値が$0$になるためには、絶対値の中身が$0$になれば良いので
\begin{align*}|x+3|=0\\[0.5em]x+3&=0\\[0.5em]x&=-3\\[1em]|x-2|=0\\[0.5em]x-2&=0\\[0.5em]x&=2\end{align*}
となります。
2. 絶対値が$0$になる$x$を数直線に描く
3. 絶対値の計算結果が変わる$x$の範囲を考える
それぞれの絶対値を外したときの結果が変わる$x$の範囲から$f(x)$の計算結果が変わる$x$の範囲を考えます。
$|x+3|$の計算結果が変わる$x$の範囲は上図の$\text{(a),(b)}$、$|x-2|$の計算結果が変わる$x$の範囲は$\text{(c),(d)}$です。
この2つの$x$の範囲を見て、例えば$x=-3$より小さい$x=-4$から$x$の値を大きくしていったとき$|x+3|$と$|x-2|$の計算結果の組み合わせは
の3つです。
$x<-3$のとき
\[|x+3|=-(x+3),\ |x-2|=-(x+2)\]
$-3\leqq x<2$のとき
\[|x+3|=x+3,\ |x-2|=-(x-2)\]
$x\geqq2$のとき
\[|x+3|=x+3,\ |x-2|=x-2\]
これらの範囲を数直線で表すと上図の一番下のようになります。
以上より$f(x)$における$x$の範囲と絶対値を外したときの結果の組み合わせがどうなるかがわかったので、その$x$の範囲ごとに$f(x)$がどうなるのかを計算します。
$x<-3$のとき
\begin{align*}f(x)&=-(x+3)-{-(x-2)}\\[0.5em]&=-x-3+x-2\\[0.5em]&=-5\end{align*}
$-3\leqq x<2$のとき
\begin{align*}f(x)&=(x+3)-{-(x-2)}\\[0.5em]&=x+3+x-2\\[0.5em]&=2x+1\end{align*}
$x\geqq2$のとき
\begin{align*}f(x)&=(x+3)-(x-2)\\[0.5em]&=5\end{align*}
これをまとめると
- $x<-3$または$x=-3$、すなわち$x\leqq-3$のとき$f(x)=-5$
- $-3<x<2$のとき$f(x)=2x+1$
- $x=2$または$x>2$、すなわち$x\geqq2$のとき$f(x)=5$
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