「上の方程式を解け。」
絶対値記号は
というように外します。
したがって、絶対値記号の中のの正負によって場合分けされます。
のとき
すなわちのとき
となります。これを整理すると
これはの値に関わらず常に成り立つ等式、すなわち恒等式なのでこれを満たすはすべての実数です。
しかし、の範囲で考えているので「かつはすべての実数」を満たすがこの場合における解です。
したがって、とすべての実数の共通部分であるが解となります。
のとき
すなわちのとき
となります。
となります。これを整理すると
のときと同様にこれはの範囲で考えているので「かつ」を満たすがこの場合における解です。
したがって、との共通部分であるが解となります。
以上よりの解は「または」、すなわちとなります。
上の方程式のように方程式を満たす変数の値が複数あり、かつそれらが連続なまとまりをもつとき解は等式ではなく、不等式となります。
また、方程式を満たさない実数値が存在しないときのすべての実数、方程式を満たす値が存在しないときの解なしも等式をもちいない方程式の解の例です。
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