内分と外分はどちらも線分を2つの線分に分割することですが、どのようにして分割するかが異なります。
内分
内分とは線分を線分上の点で2つの線分に分割することです。内分する点のことを内分点、内分してできる2つの線分の長さの比を内分比といいます。
線分APはある長さを基準としてその長さのm倍の長さをもちます。
線分BPは基準となる長さのn倍の長さをもちます。
線分ABの長さは線分APとBPの長さの和なので、基準となる長さのm+n倍の長さとなります。
線分BPは基準となる長さのn倍の長さをもちます。
線分ABの長さは線分APとBPの長さの和なので、基準となる長さのm+n倍の長さとなります。
したがって、線分ABとAPの長さの比は(m+n):mとなるので線分APの長さは
\begin{align*}AB:AP&=(m+n):m\\[0.5em](m+n)AP&=mAB\\[0.5em]AP&=\frac{m}{m+n}AB\end{align*}
と線分ABの長さをもちいて表せます。
また、線分ABとBPの長さの比は(m+n):nとなるので線分BPの長さは
\begin{align*}AB:BP&=(m+n):n\\[0.5em](m+n)BP&=nAB\\[0.5em]BP&=\frac{n}{m+n}AB\end{align*}
と線分ABの長さをもちいて表せます。
外分
外分とは、線分をその延長上の点で2つの線分に分割することです。外分する点のことを外分点、外分してできる2つの線分の長さの比を外分比といいます。
外分点Qのある位置はm,nの大小関係によって異なります。
m>nの場合
内分と同様、線分AQは基準となる長さのm倍の長さ、線分BQは基準となる長さのn倍の長さをもち、m>nよりAQ>BQなのでこれを満たすような点Qの位置は上記の位置に限られます。
線分ABの長さは線分AQの長さから線分BQの長さを差し引いたものなので、基準となる長さのm-n倍の長さとなります。
線分ABの長さは線分AQの長さから線分BQの長さを差し引いたものなので、基準となる長さのm-n倍の長さとなります。
したがって、線分ABとAQの長さの比は(m-n):mとなるので線分AQの長さは
\begin{align*}AB:AQ&=(m-n):m\\[0.5em](m-n)AQ&=mAB\\[0.5em]AQ&=\frac{m}{m-n}AB\end{align*}
と線分ABの長さをもちいて表せます。
また、線分ABとBQの長さの比は(m-n):nとなるので線分BQの長さは
\begin{align*}AB:BQ&=(m-n):n\\[0.5em](m-n)BQ&=nAB\\[0.5em]BQ&=\frac{n}{m-n}AB\end{align*}
と線分ABの長さをもちいて表せます。
m<nの場合
内分と同様、線分AQは基準となる長さのm倍の長さ、線分BQは基準となる長さのn倍の長さをもち、m<nよりAQ<BQなのでこれを満たすような点Qの位置は上記の位置に限られます。
線分ABの長さは線分BQの長さから線分AQの長さを差し引いたものなので、基準となる長さのn-m倍の長さとなります。
線分ABの長さは線分BQの長さから線分AQの長さを差し引いたものなので、基準となる長さのn-m倍の長さとなります。
したがって、線分ABとAQの長さの比は(n-m):mとなるので線分AQの長さは
\begin{align*}AB:AQ&=(n-m):m\\[0.5em](n-m)AQ&=mAB\\[0.5em]AQ&=\frac{m}{n-m}AB\end{align*}
と線分ABの長さをもちいて表せます。
また、線分ABとBQの長さの比は(n-m):nとなるので線分BQの長さは
\begin{align*}AB:BQ&=(n-m):n\\[0.5em](n-m)BQ&=nAB\\[0.5em]BQ&=\frac{n}{n-m}AB\end{align*}
と線分ABの長さをもちいて表せます。
外分においてm=nとなる、すなわち外分比が1:1になることはありません。AQ:BQ=1:1となるのは点Qが点A,Bそれぞれからの距離が等しい位置にあるということですが、点A,Bそれぞれからの距離が等しい点であるのは線分ABの垂直二等分線上の点のみで、さらに直線AB上の点に限定すれば線分ABの中点しか当てはまらないためです。
m>nのときとm<nのときで線分AQ,BQの長さを表す式の分母のmとnが入れ替わっていますが、分母を|m-n|とする、すなわち
\begin{equation}\begin{aligned}AQ&=\frac{m}{|m-n|}AB\\[1em]BQ&=\frac{n}{|m-n|}AB\end{aligned}\end{equation}
とすればm,nの大小関係に関わらずに各線分の長さを表すことができます。
さらに線分ABの延長部分の線分に対応する比の数の正負を反転させることにすれば、内分外分問わず
\begin{equation}\begin{aligned}AP(\text{or}\
AQ)&=\left|\frac{m}{m+n}\right|AB\\[1em]BQ(\text{or}\
BQ)&=\left|\frac{n}{m+n}\right|AB\end{aligned}\end{equation}
で各線分の長さを表すことができます。
内分の場合は線分ABの延長部分の線分は存在しないのでm,nのいずれも負の数にならず、そのまま絶対値記号が外れます。
外分の場合、例えば線分ABを2:3に外分する点Qを考えると、
(1)より各線分の長さは
\begin{align*}AQ&=\frac{2}{|2-3|}AB\\[0.5em]&=2AB\\[1em]BQ&=\frac{3}{|2-3|}AB\\[0.5em]&=3AB\end{align*}
と求められます。
線分ABの延長部分の線分はAQなので、これに対応する比の数2を正負を反転させた-2にすると(2)より
\begin{align*}AQ&=\left|\frac{-2}{(-2)+3}\right|AB\\[0.5em]&=2AB\\[1em]BQ&=\left|\frac{3}{(-2)+3}\right|AB\\[0.5em]&=3AB\end{align*}
となり、(1)と同じ結果を得ます。
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