はどのような数になるでしょうか?
をを除く任意の正の実数を底にもつ実数のことと仮定します。
対数の定義よりは
したがって、は
を満たす指数のことです。
したがって、は
を満たす数であるということです。
しかし、指数関数の性質よりがを除く正の実数のとき
は成り立ちますが、を成り立たせるようなは存在しません。
すなわち、実数の範囲でを定義できないということです。
ここで、のとき
のとき
という極限は関係ないのかと思うかもしれませんが、のときの極限は「限りなくを大きくするとはに限りなく近づく」、のときの極限は「限りなくを小さくするとはに限りなく近づく」ということであり、という数が存在し、そのときにになるという意味ではありません。
次はを複素数と仮定します。
複素数は極形式で
と書くことができ、オイラーの公式により
さらにより
と書くことができます。
このことと(整数)であることより複素数の対数は
となります。
さらにより
このことと(整数)であることより複素数の対数は
となります。
であるためにはであることが条件となるので、
となります。このときは実数の範囲ののの場合なので上述の通り定義できません。
したがって、実部がである複素数の対数も定義できません。
以上より、実数の範囲でも複素数の範囲でもがどんな数かを定義することはできません。
(2024/7)内容を修正しました。
Share: