「次の不等式を実数の範囲で解け。
(1)−2sin2θ−5sinθ+3>0(0≦θ<2π)−2sin2θ−5sinθ+3>0(0≦θ<2π)
(2)22x−2x+1−8≦022x−2x+1−8≦0
(3)x+2√x−15>0x+2√x−15>0」これらの不等式はどのように解けばよいのでしょうか?
三角関数や指数関数にはとりうる値の範囲があります。その範囲に注意しながら解を求める必要があります。
また、2次不等式の解き方にはグラフから解く方法と因数に着目して解く方法があります。この2通りの解き方でそれぞれ解いてみます。
また、2次不等式の解き方にはグラフから解く方法と因数に着目して解く方法があります。この2通りの解き方でそれぞれ解いてみます。
(1)−2sin2θ−5sinθ+3>0−2sin2θ−5sinθ+3>0
ただし、0≦θ<2π0≦θ<2π
まずはsinθ=tsinθ=tとおいて、因数分解します。
−2t2−5t+3>02t2+5t−3<0(t+3)(2t−1)<0−2t2−5t+3>02t2+5t−3<0(t+3)(2t−1)<0
1. グラフから解く方法
2. 因数に着目して解く方法
(t+3)(2t−1)<0(t+3)(2t−1)<0、すなわち(sinθ+3)(2sinθ−1)<0(sinθ+3)(2sinθ−1)<0より(sinθ+3)(2sinθ−1)(sinθ+3)(2sinθ−1)は負の数であることがわかります。
掛けて負になるのは正×負=負,負×正=負正×負=負,負×正=負より
掛けて負になるのは正×負=負,負×正=負正×負=負,負×正=負より
{sinθ+3>02sinθ−1<0or{sinθ+3<02sinθ−1>0{sinθ+3>02sinθ−1<0or{sinθ+3<02sinθ−1>0(a)(b)
という条件があることがわかります。
ここで、−1≦sinθ≦1−1≦sinθ≦1よりsinθ+3sinθ+3は常に正となることがわかるので、(b)(b)のsinθ+3<0sinθ+3<0は成り立たず不適となり(a)(a)に絞り込まれます。
(a)(a)の
常に正、常に負となるものは、変数に何を代入しても成り立つということなので、範囲を求められません。
(a)(a)の
2sinθ−1<02sinθ<1sinθ<122sinθ−1<02sinθ<1sinθ<12
と−1≦sinθ≦1−1≦sinθ≦1より
−1≦sinθ<12−1≦sinθ<12
を解くとθθは0≦θ<2π0≦θ<2πより
0≦θ<π6,56π<θ<2π0≦θ<π6,56π<θ<2π
となります。
常に正、常に負となるものは、変数に何を代入しても成り立つということなので、範囲を求められません。
(2)22x−2x+1−8≦022x−2x+1−8≦0
指数の計算法則より
22x=(2x)22x+1=2⋅2x22x=(2x)22x+1=2⋅2x
となるので、
(2x)2−2⋅2x−8≦0(2x)2−2⋅2x−8≦0
と書けます。また、2x=t2x=tとおいて因数分解すると
t2−2t−8≦0(t+2)(t−4)≦0t2−2t−8≦0(t+2)(t−4)≦0
となります。
1.の方法
y=t2−2t−8y=t2−2t−8のグラフは上図のようになり、不等式はy≦0y≦0の部分を表します。
その部分のtt、すなわち2x2xの範囲は
その部分のtt、すなわち2x2xの範囲は
−2≦2x≦4−2≦2x≦4
となります。ここで、2x>02x>0という指数関数のとりうる値の範囲があるので、共通範囲は
0<2x≦40<2x≦4
となります。
底が11より大きい指数関数は指数が大きくなるに従って大きくなるのでxxの範囲は
(0<)2x≦22x≦2(0<)2x≦22x≦2
となります。
2.の方法
(t+2)(t−4)≦0(t+2)(t−4)≦0、すなわち(2x+2)(2x−4)≦0(2x+2)(2x−4)≦0より(2x+2)(2x−4)(2x+2)(2x−4)は00か負の数であることがわかります。
掛けて負になる、または00になる条件は
{2x+2>02x−4<0or{2x+2<02x−4>0or2x+2=0or2x−4=0{2x+2>02x−4<0or{2x+2<02x−4>0or2x+2=0or2x−4=0(c)(d)(e)(f)
となります。
ここで、2x>02x>0より2x+22x+2は常に正となることがわかるので、(d)(d)の2x+2<02x+2<0、(e)(e)の2x+2=02x+2=0は成り立たず不適であるため、(c)(c)と(f)(f)に絞り込まれます。
(c)(c)のとき
2x−4<0(0<)2x<42x<22x<22x−4<0(0<)2x<42x<22x<2
(f)(f)のとき
2x=42x=22x=22x=42x=22x=2
解は(c)(c)または(f)(f)、すなわちx<2x<2またはx=2x=2なので組み合わせてx≦2x≦2となります。
(3)x+2√x−15>0x+2√x−15>0
x=(√x)2x=(√x)2なので、
(√x)2+2√x−15>0(√x)2+2√x−15>0
√x=t√x=tとおいて因数分解すると
t2+2t−15>0(t+5)(t−3)>0t2+2t−15>0(t+5)(t−3)>0
となります。
1.の方法
2.の方法
(t+5)(t−3)>0(t+5)(t−3)>0、すなわち(√x+5)(√x−3)>0(√x+5)(√x−3)>0より(√x+5)(√x−3)(√x+5)(√x−3)は正の数となります。
掛けて正になる条件は正×正=正,負×負=正正×正=正,負×負=正より
{√x+5>0√x−3>0or{√x+5<0√x−3<0⎧⎨⎩√x+5>0√x−3>0or⎧⎨⎩√x+5<0√x−3<0(g)(h)
となります。
ここで、√x≧0√x≧0より√x+5√x+5は常に正となることがわかるので、(h)(h)の√x+5<0√x+5<0は成り立たず不適となり(g)(g)に絞り込まれます。
(g)(g)の
√x−3>0√x>3√x−3>0√x>3
と両辺が00以上であれば両辺を2乗しても大小関係は変わらないことからxxの範囲は
x>9x>9
となります。
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