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2021年7月16日

正三角形の重心が中線を2:1に内分するのはなんでだっけ……?

正三角形の重心
図1 正三角形の重心

 三角形の重心とは各辺の中点と対角の頂点を結ぶ中線同士の交点のことです。
正三角形の重心は中線を$2:1$に内分します。これはなぜでしょうか?


図2 相似の証明

 $△ABD$と$△AOF$について考えます。
この2つの三角形は直角三角形で、$∠BAD$と$∠OAF$、$∠ABD$と$∠AOF$の大きさが等しいです。
3組の角がそれぞれ等しいので$△ABD$と$△AOF$は相似です。

関連:正三角形の中線が垂直二等分線であることの証明


 
図3 $△ABD$の三角比

$∠ABD$はもともと正三角形の内角なので$60°$です。
$△ABD$は直角三角形なので鋭角の1つが$60°$の3辺の比は図3のようになります。
よって、$AD$の長さは$AB$の長さを使って図3にある式で表されます。


図4 $△AOF$の三角比

 次に$△AOF$についてです。$△AOF$は$△ABD$と相似の関係にあるので、三角比は図4のようになります。
また、$AF$は$AB$の半分であることから、$AO$は図4の式で表されます。


図5 比の計算

 $AO$と$AD$をともに$AB$を使って表すことができました。
$AD:AO$を求めると、$3:2$であることがわかります。
$OD$は$AD$から$AO$を引いたものなので、比から$3-2=1$となり、$AO:OD$が$\mathbf{2:1}$であることを示すことができました。

他の中線についても同様の方法で示すことができるので、正三角形の重心は中線を$2:1$に内分します。


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