三角形の重心とは、頂点と対辺の中点を結ぶ中線の交点のことです。
正三角形の重心は中線を
2:1に内分します。これはなぜでしょうか?
正三角形ABCの辺BC, CA, ABのそれぞれの中点をD, E, F、中線AD, BE, CFが交わる1点、すなわち重心をGとします。
△GBDと
△GCDに着目すると
- 正三角形の中線は辺に垂直なので∠GDB=∠GDC=90°
- 点Dは辺BCの中点なのでBD=CD
- 共通の辺なのでGD=GD
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
同様にして、△GAFと△GBFが合同であることがわかります。
△GBDと
△GBFに着目すると
- 正三角形の中線は辺に垂直なので∠GDB=∠GFB=90°
-
BC=ABかつ点D, Eはそれぞれ辺BC, ABの中点なのでBD=BF
- 共通の辺なのでGB=GB
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから、
∠GBD=∠GBFです。
ここで、
∠ABC=60°かつ
∠ABC=∠GBD+∠GBFであることより
∠ABC=∠GBD+∠GBF=∠GBD+∠GBD(∵∠GBD=∠GBF)=2∠GBD60°=2∠GBD(∵∠ABC=60°)∴∠GBD=30°
であることがわかります。
△GBD≡△GCDかつ△GAF≡△GBFかつ△GBD≡△GBFより△GBD≡△GAFとなります。
このことから、∠GBD=∠GAF=30°であることがわかります。
また、GA=GB, GD=GFです。
△GBDと
△GAFはともに
30°−60°−90°の直角三角形なので、3辺の比は
GD:BD:GB=GF:AF:GA=1:√3:2
であり、特に
GB:GD=GA:GF=2:1
です。
GA=GB, GD=GFより
GA:GD=2:1
であることがいえます。
線分ADは正三角形ABCの中線の1本で、重心Gは中線AD上の点なので、重心Gは中線ADを2:1に内分することがわかります。
他の中線についても同様の方法で示すことができるので、正三角形の重心は中線を2:1に内分します。
(2025/4)内容を変更しました。