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2021年10月1日

三角形の重心は中線を何:何に内分する?

 「正三角形の重心が中線を2:1に内分するのはなんでだっけ……?」では正三角形だけにしか言及しませんでしたが、あらゆる三角形で重心がどんな性質を持っているかを調べてみます。


三角形の重心 証明
図1 三角形の重心
 正三角形の重心は中線を1:21:2に内分しましたが、他の三角形の場合で中線をすべて異なる比で内分する可能性を考慮して、図1のように重心GGによって
GD=1xCDGE=1yAEGF=1zBFGD=1xCDGE=1yAEGF=1zBF
のように中線が分けられるとします。

三角形の重心 証明2
図2 ABCABCGABGABの関係
 GABGABに着目すると、CD:GD=1:1xCD:GD=1:1xは高さの比と等しくなる(※)ので、面積は
GAB=1xABCGAB=1xABC(1)
となります。
同様にGBC, GCAGBC, GCAの面積も
GBC=1yABCGCA=1zABCGBC=1yABCGCA=1zABC(2)(3)
となります。

三角形の重心 証明3
図3 ABFABFABEABE
 次に、ABFABFABEABEに着目すると、GABGABの部分が共通しています。
したがって、
ABF=△GAB+GFAABE=△GAB+GBEABF=GAB+GFAABE=GAB+GBE
ここで、点EEBCBCの中点、点FFCACAの中点なので
{ABF=12ABCABE=12ABC{GFA=12GCAGBE=12GBC⎪ ⎪ ⎪⎪ ⎪ ⎪ABF=12ABCABE=12ABC⎪ ⎪ ⎪⎪ ⎪ ⎪GFA=12GCAGBE=12GBC(4)(5)
(4)(4)よりABFABFABEABEの面積は等しいため、共通するGABGABの除いたGFAGFAGBEGBEの面積も等しいとわかります。
(2),(3),(5)(2),(3),(5)より、
GFA=△GBE12GCA=12GBCGCA=△GBC1zABC=1yABCy=z
となり、中線AEBFは重心Gによって同じ比で内分されることがわかります。

三角形の重心 証明4
図4 DBCFBC
 同様にして、DBCFBCに着目すると、点DABの中点であることからDBCFBCの面積は等しく、共通するGBCを除いたGDBGCFの面積も等しいことがわかります。
GDBGCFはそれぞれGAB, GCAの面積を2等分したものなので、(1),(3)より
GDB=△GCF12GAB=12GCAGAB=△GCA1xABC=1zABCz=x
となり、中線BFCDは重心Gによって同じ比で内分されることがわかります。

以上から、中線AE, BF, CDは重心Gによってすべて同じ比で内分されることになります。
すなわち、x=y=zです。

(1),(2),(3)より、
ABC=△GAB+GBC+GCA=1xABC+1xABC+1xABC=3xABCx=3
となり、
CG:GD=11x:1x=113:13=23:13=2:1
であるため、重心Gは三角形の中線を2:1に内分することがわかりました。

 三角形の重心の性質は、上記の証明で明らかになったものを挙げると
  1. 重心は中線を2:1に内分する。
  2. 頂点と重心を線で結んだときにできる3つの三角形の面積は等しい。
があります。
2. に関連して3本の中線によって三角形の面積は6等分されるというものもあります。

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