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2021年10月29日

負の分数のマイナスは分母と分子どっちについているの?

 $-\dfrac{a}{b}$という負の分数についているマイナスは、分母と分子のどちらについているものと考えればよいのでしょうか?


 $-\dfrac{a}{b}$は$\dfrac{a}{b}$に$-1$を掛けたものと考えることができるので
\begin{equation}-\frac{a}{b}=-1\times\frac{a}{b}\end{equation}
と書くことができます。
また、分数の掛け算より
\[c\times\frac{a}{b}=\frac{ac}{b}\]
なので、$c=-1$のとき
\begin{equation}-1\times\frac{a}{b}=\frac{-a}{b}\end{equation}
となります。
$(1),(2)$から$-\dfrac{a}{b}=\dfrac{-a}{b}$となり、マイナスは分子についていたものと考えることができます。

 ここで$\dfrac{a}{-b}$についても考えてみます。
これに$\dfrac{-1}{-1}$を掛けると、$\dfrac{-1}{-1}=1$であるため$\dfrac{a}{-b}$と同じ値を持ちますが、$\dfrac{-1}{-1}$のまま分数の掛け算
\[\frac{a}{b}\times\frac{c}{d}=\frac{ac}{bd}\]
にしたがって計算すると、
\begin{align*}\frac{a}{-b}&=\frac{a}{-b}×\frac{-1}{-1}\\ &=\frac{-a}{b}\end{align*}
となります。

このことから$\dfrac{a}{-b}=\dfrac{-a}{b}=-\dfrac{a}{b}$と書けるため、マイナスは分母についていたものとも考えることができるということになります。
すなわち、負の分数のマイナスがついているのは分母と分子どちらでも構わないことがわかります。

(2023/9)修正しました。
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