円に内接する正十角形
円の中心を通る正十角形の対角線を引くと、10個の合同な二等辺三角形に分かれます。
頂角の大きさは36°36°で、等辺の長さは11です。
正十角形の周の長さをL10iL10i、正十角形の1辺でもある二等辺三角形の底辺の長さをl10il10iとします。
すると、底辺の長さは余弦定理より
l10i2=12+12−2⋅1⋅1cos36°=2−2cos36°
ここで、以前の記事よりcos36°は
cos36°=1+√54
となることがわかったので、
l10i2=2−2⋅1+√54=3−√52l10i=√3−√52=√6−2√54=√(√5−1)24=√5−12
となります。
L10i=10l10i
なので、正十角形の周の長さは
L10i=10⋅√5−12=5√5−5≒6.18_
となります。
したがって、円に内接する正十角形の周の長さと円周の関係は、
2π:5√5−5=π:5√5−52≒π:3.09
円に内接する正十角形の周の長さは円周より短いのでπ>3.09であるとわかります。
半径1の円に外接する正十角形を考えます。円周は先ほどと同じ2πです。
円の中心を通る正十角形の対角線を引くと10個の合同な二等辺三角形に分かれます。
頂角の大きさは36°、高さは1です。
正十角形の周の長さをL10o、二等辺三角形の底辺の長さはl10oとします。
頂角と底辺の中点を通る直線で二等辺三角形を分割したときできる直角三角形について考えると、
l10o2=1⋅tan(36°2)l10o=2tan(36°2)
ここで、半角の公式の
tan2θ2=1−cosθ1+cosθ
から
tanθ2=sinθ1+cosθ(0°<θ<90°)
が得られるので、
l10o=2sin36°1+cos36°
sin36°は以前の記事より、
sin36°=√5−√58
なので、
l10o=2√5−√581+1+√54=√5−√525+√54=4√2⋅√5−√55+√5=2√2⋅√5−√55+√5⋅5−√55−√5=2√2(5−√5)√5−√520=√2(5−√5)√5−√510
となります。
L10i=10l10i
なので、正十角形の周の長さは
L10o=10⋅√2(5−√5)√5−√510=√2(5−√5)√5−√5≒6.50_
となります。
したがって、円に外接する正十角形と円周の関係は
2π:√2(5−√5)√5−√5=π:√2(5−√5)√5−√52≒π:3.25
円に外接する正十角形の周の長さは円周より長いので、π<3.25であることがわかります。
以上のことから、円に内接・外接する正十角形の周の長さから円周率πの値を絞り込んでみると3.09<π<3.25の範囲内にあることがわかりました。
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