横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2021年10月31日

正五角形の作図法

 正五角形は以下のように定規とコンパスを使って作図します。

正五角形の作図法

1.

直径を引く
円$\text{O}$を描き。直径$\text{AB}$を引きます。

2.

直径の垂直二等分線を引く
点$\text{A, B}$それぞれを中心とする半径が等しい円弧を描き、直径$\text{AB}$に垂直な直径$\text{CD}$を作図します。

3.

半径の1つの中点を作図
円$\text{O}$と等しい半径の円弧を点$\text{B}$を中心として描き、半径$\text{OB}$の中点$\text{E}$を作図します。

4.

CEを半径とする円弧を描く
線分$\text{CE}$に等しい長さを半径とする円弧を点$\text{E}$を中心として描き、直径$\text{AB}$との交点$\text{F}$を作図します。

5.

CFを半径とする円弧を描く
線分$\text{CF}$に等しい長さを半径とする円弧を点$\text{C}$を中心として描き、円$\text{O}$との交点$\text{G, H}$を作図します。
線分$\text{CG, CH}$を引くとこれらが正五角形の辺となります。

6.

1辺の長さがCFの五角形を描く
線分$\text{CF}$に等しい長さを半径とする円弧を点$\text{G, H}$それぞれを中心として引き、円$\text{O}$との交点$\text{I, J}$をとり、線分$\text{GI, HJ, IJ}$を引きます。

7.

正五角形 作図
これで正五角形の作図ができました。この正五角形は円に内接する正五角形でもあります。

本当に正五角形か?

 本当に正五角形であるのかを手順4.、5.で作図に使用している長さを調べてみます。

√5/2
 手順4. で半径としたのは線分$\text{CE}$の長さです。この長さを知るために直角三角形$\text{OCE}$を考えます。
円$\text{O}$の半径を$1$とすると、$\text{OC}=1$です。点$\text{E}$は$\text{OB}$の中点なので$\text{OE}=\dfrac{1}{2}$となります。三平方の定理より
\begin{align*}\text{CE}^2&=\text{OC}^2+\text{OE}^2\\[0.5em]&=1^2+\left(\frac{1}{2}\right)^2\\[0.5em]&=\frac{5}{4}\\[0.5em]\therefore \text{CE}&=\frac{\sqrt{5}}{2}&(\because \text{CE}>0)\end{align*}
となります。

(√5-1)/2
 次に手順5. で半径としたのは線分$\text{CF}$の長さです。さきほどと同様に直角三角形$\text{OCF}$を考えます。
前述の通り$\text{OC}=1$です。図形$\text{CFE}$はおうぎ形で$\text{CE}=\text{FE}=\dfrac{\sqrt{5}}{2}$です。
また、$\text{OE}=\dfrac{1}{2}$なので
\begin{align*}\text{OF}&=\text{FE-OE}\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{5}-1}{2}\end{align*}
となります。さらに、三平方の定理より
\begin{align*}\text{CF}^2&=\text{OC}^2+\text{OE}^2\\[0.5em]&=1^2+\left(\frac{\sqrt{5}-1}{2}\right)^2\\[0.5em]&=1-\frac{6-2\sqrt{5}}{4}\\[0.5em]&=\frac{10-2\sqrt{5}}{4}\\[0.5em]\therefore \text{CF}&=\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}&(\because \text{CF}>0)\end{align*}
となります。

$\text{CF}$の長さを元に正五角形の辺となる線分を引くことになるので、これが正五角形の1辺の長さとなります。

 円に内接・外接する正五角形の周の長さと円周率の関係で求めた半径$1$の円に内接する正五角形の1辺の長さも$\dfrac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}$なので、作図されたのは確かに正五角形であることがわかります。

参考鈴木進吾 他(編)、、「学研版 算数おもしろ大事典」、株式会社学習研究社

Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

Blog Archive

PR

ブログランキング・にほんブログ村へ