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2022年6月29日

最大値・最小値が「ない」ときとは?

 最大値や最小値が「ない」ときとはどのようなときなのでしょうか?

以下の例題から考えてみます。
y=-2x+5\quad(x<2)
「上の関数の最大値と最小値を求めよ。」

答えを言ってしまうと最大値も最小値もありません。なぜ「ない」といえるのかについて考えます。

まず、最大値と最小値の意味について確認します。
最大値とは「これより大きくなることがない限界となる値」、最小値とは「これより小さくなることがない限界となる値」のことです。

y=-2x+5x<2)のグラフ

範囲に端がないとき

 定義域x<2は「x2未満である」ということですが、”どこまで小さくなるか”という端がありません。なので、この定義域ではx2より小さければ果てしなく小さくなることができます。

この例題の場合、xが小さくなるとyは大きくなります。つまり、xが果てしなく小さくなれるということはyは果てしなく大きくなれるということなので、これが限界だといえる値がありません。
したがって、最大値はありません。

 このように定義域に端がないと最大値や最小値が存在しないときがあります。2次関数の頂点のように関数自体に定義域の端以外で最大や最小となるような特徴がない限り最大値や最小値は存在しません。

2次関数の頂点は定義域に端がないとき最大値か最小値をとる点になる


定義域が等号なし不等号であるとき

 定義域x<2には等号付きでない不等号が使われています。
等号付き不等号のx\leqq2が定義域の場合、y=-2x+5における最小値は定義域の端のx=2のときのy=1になるのですが、例題の定義域x<2にはx=2が含まれていないため、最小となるときのxの値は2未満で2に最も近い数となりそうです。
するとx=1.99999\cdotsという小数点以下に9が無数に並ぶ数(循環小数の記法に従えばx=1.\dot{9})になりそうですが、ここで問題が起きます。

0.\dot{9}\cdots=1
というものがあります。小数点以下に9が無限に続く循環小数は1になるということですが、このことを利用すると
\begin{align*}1.\dot{9}&=1+0.\dot{9}\\[0.5em]&=1+1\\[0.5em]&=2\end{align*}
となり、x=1.99999\cdotsは定義域x<2内にない数となってしまいます。

したがって、1.99999\cdots2未満で2に最も近い数ではないこと、小数部分の9は無限に続かないことがわかります。

 そこで、「2未満で2に最も近い数とはなにか?」について考えます。
例えば、1.\dot{9}の小数点以下のどこかの桁を8に置き換えた数というものが考えられます。
最も小さい桁を8に置き換えた数が最も2に近いといえるのですが、1.\dot{9}は小数点以下の桁が無限に続くので一番小さい桁というものがないので置き換えることができません。
また、どこかの桁を8に置き換えたとしても、より小さい桁を8に置き換えた数を提示できる以上はっきりと2未満で2に最も近い数を提示することは不可能です。

今度は1.99999\cdotsの小数部分の9は無限に続かないという点から「9が何桁続くのか?」というアプローチで考えてみます。言い換えると「1桁9を加えることで1.\dot{9}になる数はなにか?」です。
しかし、1.\dot{9}9が無限に続くので、桁に限りのあるどんな数に1桁9を加えても1.\dot{9}になるはずはありません。
したがって、そんな数は存在しないことになります。

このように定義域の等号付きでない不等号が使われているほうの端で最小となりそうなとき、その定義域の端のxの値がわからないので最小値となるであろうyの値も求めることができません。これは最大値の場合でも同様です。

(2024/7)少し修正しました。
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