「$p$ならば$q$」が真のときを考えます。
「$p$ならば$q$」が真のとき |
「$p$ならば$q$」が真のとき、必要条件、十分条件の関係をベン図で考えると上図のようになります。
$P$は条件$p$を満たす集合、$Q$は条件$q$を満たす集合です。(※全体集合$U$は省略)
「$p$ならば$q$」が真であるとは、集合$Q$の中の一部分が集合$P$であるということなので、これの否定とは「$p$ならば$q$」が偽、すなわち集合$P$の一部または全部が集合$Q$の外にあるということです。
「$p$ならば$q$」が偽のとき |
では、そのことをどのように書けばよいかというと、集合$P$が集合$Q$の外にあることを指摘すればよいのです。
集合$P$の集合$Q$の外にある部分は集合$P$と集合$Q$の補集合$\overline{Q}$の重なり合っている部分なので$P\cap\overline{Q}$($P$かつ$Q$でない)となります。これが「$p$ならば$q$」が真のときの否定となります。「$p$ならば$q$」が真のとき「$P$かつ$Q$でない」部分はないので偽に、「$p$ならば$q$」が偽のとき「$P$かつ$Q$でない」部分があるので真となります。
「$P$かつ$Q$でない」は命題の真偽判定のときの反例が該当します。
例えば、「$x+y$が偶数ならば$x,y$ともに偶数である」は偽でその反例は「$x,y$ともに奇数」ですが、これは$P$にあたる「$x+y$が偶数」を満たしますが$Q$にあたる「$x,y$ともに偶数である」を満たさないので「$P$かつ$Q$でない」になっています。
今度は「$P$かつ$Q$でない」の否定について考えてみます。
「$p$ならば$q$」が偽のとき |
「$P$かつ$Q$でない」とは、上図のように集合$P$の一部または全部が集合$Q$の外にある部分のことなので、その否定とは集合$P$が集合$Q$の外にないということです。
$P\cap\overline{Q}$($P$かつ$Q$でない)がないことは言い換えれば$P\cap\overline{Q}$($P$かつ$Q$でない)でないことがどこでも成り立つことを意味します。
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