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2022年6月24日

2次関数のグラフの平行移動

 2次関数
\[\large y=(x-p)^2+q\]
のグラフは$y=x^2$のグラフをx軸方向に$p$、y軸方向に$q$移動させたものとなぜ判断できるのでしょうか?

$p$の意味

 まずは$q=0$として$p$について考えます。
2つの2次関数
\begin{align*}y_1=x^2\tag1\\[0.5em]y_2=(x-p)^2\tag2\end{align*}
を比較します。
例えば$x=a$を代入したときの$y$の値は$(1)$では$a^2$となりますが、$(2)$では$a$より$p$だけ小さい数の2乗、すなわち$(a-p)^2$となります。$(2)$において$y=a^2$になるのは$x=a$から$p$だけ増加させた$x=a+p$のときです。
これを$(1),(2)$全体で考えれば$x$を増加させていくとき、$(1)$と同じ$y$の値の変化が$(1)$よりも$x$が$p$だけ大きい値のとき$(2)$に起こる(x軸を時間軸ととらえれば"遅れる")ということです。
x軸方向の平行移動
これをグラフで考えると、$(2)$のグラフは$(1)$のグラフよりx軸方向に$p$だけ移動することになります。
したがって、$p$はx軸方向の平行移動の量を表していることがわかります。

$q$の意味

 今度は$p=0$として$q$について考えます。
2つの2次関数
\begin{align*}y=x^2\tag1\\[0.5em]y=x^2+q\tag3\end{align*}
を比較します。
$(1),(3)$は$x$が同じ値であるとき$(3)$の$y$の値は常に$(1)$の$y$の値より$q$だけ大きいことがわかります。
y軸方向の平行移動
これをグラフで考えると、$(3)$のグラフは$(1)$のグラフよりy軸方向に$q$だけ移動することになります。
したがって、$q$はy軸方向の平行移動の量を表していることがわかります。

 以上より2次関数
\[y=(x-p)^2+q\]
は$y=x^2$と比較してx軸方向に$p$、y軸方向に$q$移動していることになります。

 これは他の関数のグラフについても同様にいうことができ、関数$y=f(x)$のグラフをx軸方向に$p$、y軸方向に$q$だけ平行移動したときの関数は、$x$を$x-p$に、$y$を$y-q$に置き換えて
\begin{align*}y-q&=f(x-p)\\[0.5em]\therefore y&=f(x-p)+q\end{align*}
となります。

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