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2025年1月6日

座標平面上の点の回転移動

 座標平面上の点Aをある点を中心に反時計回りにφだけ回転移動させたとき、移動後の点の座標はどのように表せるでしょうか?

Aの直交座標を(a,b)、回転移動後の点をA'、その座標を(a,b)とおきます。

原点を中心に回転移動

 極座標を利用して考えます。
原点を中心に回転移動したときの極座標
Aの極座標を(r,θ)とおくと、
(1)a=rcosθ(2)b=rsinθ
という関係が成り立ちます。
原点を中心に反時計回りにφだけ回転移動した後の点A'の極座標は(r,θ+φ)となり、これを直交座標に変換すると(a,b)=(rcos(θ+φ),rsin(θ+φ))となります。
ここで、三角関数の加法定理より
a=rcos(θ+φ)=r(cosθcosφsinθsinφ)=rcosθcosφrsinθsinφb=rsin(θ+φ)=r(sinθcosφ+cosθsinφ)=rsinθcosφ+rcosθsinφ
となり、(1),(2)を代入すると
a=acosφbsinφb=bcosφ+asinφ=asinφ+bcosφ
となります。
これが点A(a,b)を原点を中心に反時計回りにφだけ回転移動させた後の点の直交座標を求める式となります。
直交座標を列ベクトルで表したとき、上記のような式を得る行列の積は
(ab)=(cosφsinφsinφcosφ)(ab)
であり、このときの行列(cosφsinφsinφcosφ)回転行列といいます。

P(p,q)を中心に回転移動

 点Aを点P(p,q)を中心に反時計回りにφだけ回転移動させた後の座標は、平行移動と上述の原点を中心に回転移動の2つを利用して求めます。
点Pと点Aを点Pが原点にくるように平行移動
Pから原点Oまで平行移動するときと同じ移動量で点Aを平行移動させます。
平行移動後の点をBとすると、点Bの座標は(ap,bq)となります。
Bを原点Oを中心に反時計回りにφだけ回転移動させた後の点B'の座標は上記より((ap)cosφ(bq)sinφ,(ap)sinφ+(bq)cosφ)となります。
△PAA’と△OBB'は平行移動しただけの合同な三角形
ここで、点P, A, A'と点O, B,B'を結んでできる三角形PAA'OBB'に着目すると互いに平行移動しただけの合同な三角形であることがわかります。
したがって、点B'を原点Oから点Pまで平行移動するときと同じ移動量で平行移動させると平行移動後の点は対応する点A'となり、その座標は((ap)cosφ(bq)sinφ+p,(ap)sinφ+(bq)cosφ+q)となります。
すなわち、
a=(ap)cosφ(bq)sinφ+pb=(ap)sinφ(bq)cosφ+q
が点A(a,b)を点(p,q)を中心に反時計回りにφだけ回転移動させた後の座標を求める式となります。

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