極座標から直交座標、直交座標から極座標への変換はどのようにするのでしょうか?
三角関数の定義を利用してもう一方の座標へ変換します。
極座標から直交座標への変換
極座標平面の始線ののびる方向を正とする数直線と数直線を原点を中心に反時計回りにだけ回転させたような数直線を引きます。それぞれの数直線の単位長さは動径の単位長さに等しく、数直線のはどちらも交点である原点に位置しています。
数直線はx軸、数直線はy軸と対応させることで、が成り立ちます。
したがって、極座標がである点の直交座標は
より求められることがわかります。
これは原点の極座標を直交座標に変換するときものときも成り立ちます。
のとき
をもちいて直交座標に変換すると
となるため、のときもが成り立つことがわかります。
のとき
(ただし、)とおくと極座標の性質よりなので直交座標は
となります。
また、をもちいて直交座標に変換すると
となり、を得るのでのときもが成り立つことがわかります。
直交座標から極座標への変換
動径座標は原点から点までの距離でもあるので
より求められます。
点の直交座標より
が成り立つことから、偏角座標は連立方程式
の解として求められます。
したがって、点の直交座標を極座標に変換するには、を
より求めればよいことがわかります。
しかし、となる原点においてはの分母がとなってしまい偏角座標が求められないので、場合分けして極座標を
とします。
また、より求められる動径座標の値はに限られます。
である極座標に変換するには以下のようにします。
直交座標が、極座標が(ただし、)である点と原点に関して対称な位置にある点の極座標について考えます。このとき、点の座標にはが成り立っています。
点の直交座標を、極座標をとおきます。
点は点と原点に関して対称な位置にあるので、点の座標をもちいて
と表されます。
すると
が成り立つことがわかります。
したがって、直交座標をである極座標に変換するには
より求めればよいことがわかります。
によって1つの直交座標を極座標へ変換すると複数の極座標が現れますが、これは極座標の性質によるものです。
原点以外の点の直交座標と極座標が1対1対応となるような変換とするために通常をもちい、の範囲をとします。
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