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2024年4月10日

不等式と「かつ」と「または」

「以下の(1)~(5)のうち$x\geqq3$と同値であるものをすべて選べ。
(1)$x=3$かつ$x>3$

(2)$x=3$または$x>3$

(3)$x>-1$かつ$x\geqq3$

(4)$x>-1$または$x\geqq3$

(5)$3\leqq x\leqq7$かつ$x>7$

(6)$3\leqq x\leqq7$または$x>7$」


 $x\geqq3$は$x$に$3$以上の値を代入すると正しい式になります。
したがって、正しい式であるときを$○$、間違っている式であるときを$✕$として表にまとめると以下のようになります。
$x$ $x\geqq3$
$3$未満 $✕$
$3$ $○$
$3$超 $○$
また、$x\geqq3$を数直線をもちいて表すと以下のようになります。
x≧3を示す範囲
赤く示した部分には$x\geqq3$が正しい式となる$x$の値があります。

「$A$または$B$」という文は$A$か$B$の少なくとも一方が正しいときに正しい文となります。
「$A$かつ$B$」という文は$A$と$B$が両方正しいときに正しい文となります。

$x\geqq3$と同値であるとは、$x\geqq3$と正しくなるときが全く同じであることをいいます。

(1)$x=3$かつ$x>3$

 前述の通り「$x=3$かつ$x>3$」は「$x=3$」と「$x>3$」の両方が正しいときに正しくなるので、各$x$の値における正誤は以下の表のようにまとめられます。
$x$ $x=3$ $x>3$ $x=3$
かつ
$x>3$
$x\geqq3$
$3$未満 $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$3$ $○$ $✕$ $✕$ $○$
$3$超 $✕$ $○$ $✕$ $○$
$x=3$かつ$x>3$の正誤は表の右端の列の$x\geqq3$の正誤と比較すると同じではないので、$x=3$かつ$x>3$は$x\geqq3$と同値でないことがわかります。

(2)$x=3$または$x>3$

 前述の通り「$x=3$または$x>3$」は「$x=3$」か「$x>3$」の少なくとも一方が正しいときに正しくなるので、各$x$の値における正誤は以下の表のようにまとめられます。
$x$ $x=3$ $x>3$ $x=3$
または
$x>3$
$x\geqq3$
$3$未満 $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$3$ $○$ $✕$ $○$ $○$
$3$超 $✕$ $○$ $○$ $○$
$x=3$または$x>3$の正誤は表の右端の列の$x\geqq3$の正誤と比較すると同じなので、$x=3$または$x>3$は$x\geqq3$と同値であることがわかります。

x=3とx>3を示す範囲
$x=3$と$x>3$を数直線をもちいて表すと上図のようになります。
$x=3$は赤い点で、$x>3$は青い範囲で示しています。青い範囲は$x=3$を含みません。

「$x=3$かつ$x>3$」は赤い点と青い範囲で共通している部分となります。しかし、共通している部分はないので「$x=3$かつ$x>3$」を示す範囲は存在しません。

「$x=3$または$x>3$」は赤い点と青い範囲を合成したものとなります。すると、「$x=3$または$x>3$」の示す範囲は$x\geqq3$と同じものとなります。


(3)$x>-1$かつ$x\geqq3$

 「$x>-1$かつ$x\geqq3$」の各$x$の値における正誤は以下の表のようにまとめられます。
$x$ $x>-1$ $x\geqq3$ $x>-1$
かつ
$x\geqq3$
$x\geqq3$
$-1$未満 $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$-1$ $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$-1$超
$3$未満
$○$ $✕$ $✕$ $✕$
$3$ $○$ $○$ $○$ $○$
$3$超 $○$ $○$ $○$ $○$
$x>-1$かつ$x\geqq3$の正誤は表の右端の列の$x\geqq3$の正誤と比較すると同じなので、$x>-1$かつ$x\geqq3$は$x\geqq3$と同値であることがわかります。

(4)$x>-1$または$x\geqq3$

 「$x>-1$または$x\geqq3$」の各$x$の値における正誤は以下の表のようにまとめられます。
$x$ $x>-1$ $x\geqq3$ $x>-1$
かつ
$x\geqq3$
$x\geqq3$
$-1$未満 $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$-1$ $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$-1$超
$3$未満
$○$ $✕$ $○$ $✕$
$3$ $○$ $○$ $○$ $○$
$3$超 $○$ $○$ $○$ $○$
$x>-1$または$x\geqq3$の正誤は表の右端の列の$x\geqq3$の正誤と比較すると同じではないので、$x>-1$または$x\geqq3$は$x\geqq3$と同値でないことがわかります。

x>-1とx≧3を示す範囲
 $x>-1$と$x\geqq3$を数直線をもちいて表すと上図のようになります。
$x>-1$は赤い範囲($x=-1$は含まない)で、$x\geqq3$は青い範囲($x=3$を含む)で示しています。

「$x>-1$かつ$x\geqq3$」を示す赤い範囲と青い範囲で共通している部分は$x\geqq3$となります。

「$x>-1$または$x\geqq3$」を示す赤い範囲と青い範囲を合成したものは$x>-1$となります。


(5)$3\leqq x\leqq7$かつ$x>7$

 「$3\leqq x\leqq7$かつ$x>7$」の各$x$の値における正誤は以下の表のようにまとめられます。
$x$ $3\leqq x\leqq7$ $x>7$ $3\leqq x\leqq7$
かつ
$x>7$
$x\geqq3$
$3$未満 $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$3$ $○$ $✕$ $✕$ $○$
$3$超
$7$未満
$○$ $✕$ $✕$ $○$
$7$ $○$ $✕$ $✕$ $○$
$7$超 $✕$ $○$ $✕$ $○$
$3\leqq x\leqq7$かつ$x>7$の正誤は表の右端の列の$x\geqq3$の正誤と比較すると同じではないので、$3\leqq x\leqq7$かつ$x>7$は$x\geqq3$と同値でないことがわかります。

(6)$3\leqq x\leqq7$または$x>7$

 「$3\leqq x\leqq7$または$x>7$」の各$x$の値における正誤は以下の表のようにまとめられます。
$x$ $3\leqq x\leqq7$ $x>7$ $3\leqq x\leqq7$
または
$x>7$
$x\geqq3$
$3$未満 $✕$ $✕$ $✕$ $✕$
$3$ $○$ $✕$ $○$ $○$
$3$超
$7$未満
$○$ $✕$ $○$ $○$
$7$ $○$ $✕$ $○$ $○$
$7$超 $✕$ $○$ $○$ $○$
$3\leqq x\leqq7$または$x>7$の正誤は表の右端の列の$x\geqq3$の正誤と比較すると同じなので、$3\leqq x\leqq7$または$x>7$は$x\geqq3$と同値であることがわかります。

3≦x≦7とx>7を示す範囲
 $3\leqq x\leqq7$と$x>7$を数直線をもちいて表すと上図のようになります。
$3\leqq x\leqq7$は赤い範囲($x=3,7$を含む)で、$x>7$は青い範囲($x=7$は含まない)で示しています。

「$3\leqq x\leqq7$かつ$x>7$」を示す赤い範囲と青い範囲で共通している部分はありません。

「$3\leqq x\leqq7$または$x>7$」を示す赤い範囲と青い範囲を合成したものは$x\geqq3$となります。


 以上より$x\geqq3$と同値であるものは(2)、(3)、(6)となります。


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