直交座標平面上の点$(a,b)$($a\neq0$または$b\neq0$)は原点からの距離$r$、x軸の正の部分と反時計回りになす角$θ$とすると
\[\large(a,b)=(r\cos\theta,r\sin\theta)\]
と表すことができます。
なぜこのように表すことができるのでしょうか?2通りの方法で確かめてみます。
相似を利用する方法
$a\neq0$かつ$b\neq0$のとき、点$P,Q$それぞれからx軸へおろした垂線の足を$A,B$とすると、直角三角形$OPA$と直角三角形$OQB$ができます。
これら直角三角形は1組の鋭角が等しいので相似であり、直角三角形$OPA$の斜辺$OP$の長さは$r$、直角三角形$OQB$の斜辺$OQ$の長さは$1$であることから、相似比は$OP:OQ=r:1$であることがわかります。
これら直角三角形は1組の鋭角が等しいので相似であり、直角三角形$OPA$の斜辺$OP$の長さは$r$、直角三角形$OQB$の斜辺$OQ$の長さは$1$であることから、相似比は$OP:OQ=r:1$であることがわかります。
また、$OA:OB=PA:QB=r:1$でもあるので、直角三角形$OPA$の各辺の長さは直角三角形$OQB$の対応する辺の長さの$r$倍であることがわかります。
ここで、辺$OA,PA$の長さはそれぞれ点$P$のx座標、y座標の絶対値、辺$OB,QB$の長さはそれぞれ点$Q$のx座標、y座標の絶対値に等しいので、これら直角三角形の対応する辺の長さの関係は、点$P$は点$Q$よりx軸から$r$倍離れており、点$Q$よりy軸から$r$倍離れていることを意味しています。
したがって、点$P$の座標は点$Q$の座標を$r$倍したものとなるため、点$P$の座標が
\[\large(a,b)=(r\cos\theta,r\sin\theta)\]
と表せることがわかります。これは$a=0$または$b=0$のときも成り立ちます。
分点の座標を利用する方法
すると、原点$O$の座標において
\[(0,0)=\left(\frac{r\cos\theta-a}{r-1},\frac{r\sin\theta-b}{r-1}\right)\]
が成り立つことがわかります。
原点$O$のx座標より
\begin{align*}0&=\frac{r\cos\theta-a}{r-1}\\[0.5em]0&=r\cos\theta-a\\[0.5em]\therefore
a&=r\cos\theta\end{align*}
原点$O$のy座標より
\begin{align*}0&=\frac{r\sin\theta-b}{r-1}\\[0.5em]0&=r\sin\theta-b\\[0.5em]\therefore
b&=r\sin\theta\end{align*}
したがって、点$P$の座標は
\[\large(a,b)=(r\cos\theta,r\sin\theta)\]
と表せることがわかります。
点$P$の三角関数をもちいた座標$(r\cosθ,r\sinθ)$は、点$P$が原点$O$を中心とする半径$r$の円とx軸の正の部分と反時計周りに$θ$の角をなす原点$O$からのびる半直線の交点であることを表しています。
原点$O$から点$P$までの距離$r$は
\[r=\sqrt{a^2+b^2}\]
より求められます。
線分$OP$のx軸の正の部分と反時計回りになす角$θ$は、点$P$のx座標、y座標より
\begin{align*}a&=r\cos\theta\\[0.5em]\therefore\cos\theta&=\frac{a}{r}\\[1em]b&=r\sin\theta\\[0.5em]\therefore\sin\theta&=\frac{b}{r}\end{align*}
となることより、連立方程式
\begin{cases}\cos\theta=\dfrac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\\[0.5em]\sin\theta=\dfrac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\end{cases}
の解より求められます。
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