「1次関数(グラフの形、傾き、y切片)」にて、1次関数$y=ax+b$($a,b:$実数、$a\neq0$)は同じ1次関数の$y=ax$をy軸方向に$b$だけ平行移動したものであると説明しましたが、y軸方向のみへの平行移動の場合でしか$y=ax+b$の形をとれないのでしょうか?
$y=ax$をx軸方向に平行移動
$y=ax$のグラフをx軸方向に$c$だけ平行移動したあとの方程式は
\[y=a(x-c)\]
となります。
これを展開すると
\[y=ax-ac\]
となり、$y=ax$をy軸方向に$-ac$だけ平行移動したときと同じものを得ます。
$y=ax$をx軸方向に$p$、y軸方向に$q$だけ平行移動
$y=ax$のグラフをx軸方向に$p$、y軸方向に$q$だけ平行移動したあとの方程式は
\[y-q=a(x-p)\]
となります。
これを整理すると
\[y=ax-ap+q\]
となり、$y=ax$をy軸方向に$-ap+q$だけ平行移動したときと同じものを得ます。
以上より、1次関数$y=ax$のグラフをどのように平行移動しても、これと必ず一致するy軸方向にのみ平行移動したグラフが存在するため、$y=ax+b$の形で表せることがわかります。これは1次関数$y=ax+b$についても同様にいえます。
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