異なる2点$(p_1, q_1), (p_2, q_2)$(ただし、$p_1\neq p_2$)を通る直線を表す1次関数は
\[\large y=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(x-p_1)+q_1\]
と書くことができます。
なぜこの1次関数であるとわかるのでしょうか?2通りの方法で導いてみます。
1. 連立方程式より導出
1次関数の一般形に代入し、連立方程式より導出してみます。
1次関数とは、
\[y=ax+b\quad(a, b:定数)\]
で表される関数のことなので、まずは異なる2点$(p_1, q_1), (p_2,
q_2)$を通る1次関数を上式でおきます。
点$(p_1, q_1)$を通るということは、$x=p_1$のとき$y=q_1$となる、すなわち
\begin{equation}q_1=ap_1+b\end{equation}
となるということです。
同様に、点$(p_2,
q_2)$を通るということは、$x=p_2$のとき$y=q_2$となる、すなわち
\begin{equation}q_2=ap_2+b\end{equation}
となるということです。
$(1), (2)$で連立方程式を立てます。
$(2)-(1)$を計算すると
\begin{align*}q_2-q_1&=ap_2-ap_1\\[0.5em]&=a(p_2-p_1)\\[0.5em]a&=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}\end{align*}
となり$a$が求まります。
これを$(1)$に代入すると
\begin{align*}q_1&=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}p_1+b\\[0.5em]b&=-\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}p_1+q_1\end{align*}
となり$b$が求まります。
したがって、異なる2点$(p_1, q_1), (p_2, q_2)$を通る直線を表す1次関数は
\[y=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}x-\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}p_1+q_1\tag{A}\]
であり、右辺を整理すると
\[y=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(x-p_1)+q_1\tag{B}\]
となることがわかります。
$\text{(A)}$において、定数項$-\dfrac{q_2-q_1}{p_2-p_1}p_1+q_1$はy切片にあたります。
$\text{(A)}$が原点を通る場合はy切片は$0$になるので、このとき$-\dfrac{q_2-q_1}{p_2-p_1}p_1+q_1=0$となります。
$\text{(A)}$が原点を通る場合はy切片は$0$になるので、このとき$-\dfrac{q_2-q_1}{p_2-p_1}p_1+q_1=0$となります。
2. 変化の割合から導出
1次関数の傾きと変化の割合が等しいことを利用して傾きを最初に求めます。
異なる2点$(p_1, q_1), (p_2,
q_2)$を通るということは、$x=p_1$のとき$y=q_1$をとり、$x=p_2$のとき$y=q_2$をとるということです。
$x$が$p_1$から$p_2$へ変化したと考えれば、それにともない$y$は$q_1$から$q_2$へ変化するので、変化の割合は
\[\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}\]
となり、これが求める1次関数の傾きとなります。
通る点の座標と傾きがそろったので、「通る1点の座標と傾きがわかっている直線を表す1次関数」で示した公式で1次関数を求めることができます。
余談
ちなみに、異なる2点$(p_1, q_1), (p_2,
q_2)$を通る直線を表す1次関数は$\text{(B)}$、すなわち
\[y=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(x-p_1)+q_1\]
の1つだけではありません。正確には、1次関数としてはただ1つですが、上のような表記は1つではありません。
1.における$(1)$と$(2)$の差のとり方($(1)-(2)$か$(2)-(1)$か)、求まった傾きを代入する対象($(1)$に代入か$(2)$に代入か)、
2.における$x$の値の変化の方向($p_1$から$p_2$か$p_2$から$p_1$か)、通る点としてどちらを選ぶか($(p_1, q_1)$か$(p_2, q_2)$か)でそれぞれ2通りあるため、得られる1次関数の形として
2.における$x$の値の変化の方向($p_1$から$p_2$か$p_2$から$p_1$か)、通る点としてどちらを選ぶか($(p_1, q_1)$か$(p_2, q_2)$か)でそれぞれ2通りあるため、得られる1次関数の形として
\begin{gather*}y=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(x-p_1)+q_1\tag{i}\\[1em]y=\frac{q_1-q_2}{p_1-p_2}(x-p_1)+q_1\tag{ii}\\[1em]y=\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(x-p_2)+q_2\tag{iii}\\[1em]y=\frac{q_1-q_2}{p_1-p_2}(x-p_2)+q_2\tag{iv}\end{gather*}
の4通り現れます。
しかし、上で述べたようにすべて同じ1次関数を表します。
直線は通る2点によってただ1つに決まるので、$\text{(i)}, \text{(ii)},$
$\text{(iii)}, \text{(iv)}$がいずれも$(p_1, q_1), (p_2,
q_2)$を通る、すなわち$x=p_1$のとき$y=q_1$をとり、$x=p_2$のとき$y=q_2$をとるかによって確かめてみます。
$x=p_1$のとき
$\text{(i)},
\text{(ii)}$は$(p_1-p_1)=0$より直ちに$y=q_1$であることがわかります。
\begin{align*}\text{(iii)}:\\
&&\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(p_1-p_2)+q_2&=-(q_2-q_1)+q_2\\[0.5em]&&&=q_1\\[1em]\text{(iv)}:\\
&&\frac{q_1-q_2}{p_1-p_2}(p_1-p_2)+q_2&=(q_1-q_2)+q_2\\[0.5em]&&&=q_1\end{align*}
$x=p_2$のとき
\begin{align*}\text{(i)}:\\
&&\frac{q_2-q_1}{p_2-p_1}(p_2-p_1)+q_1&=(q_2-q_1)+q_1\\[0.5em]&&&=q_2\\[1em]\text{(ii)}:\\
&&\frac{q_1-q_2}{p_1-p_2}(p_2-p_1)+q_1&=-(q_1-q_2)+q_1\\[0.5em]&&&=q_2\end{align*}
$\text{(iii)},
\text{(iv)}$は$(p_2-p_2)=0$より直ちに$y=q_2$であることがわかります。
以上より、いずれも$(p_1, q_1), (p_2,
q_2)$を通るので上記4つの1次関数はすべて同じ直線を表すことがわかります。
すなわち、上記4つの1次関数は表記は異なるものの同一であるということです。
また、同一の1次関数なので、公式として$\text{(i)}, \text{(ii)},$
$\text{(iii)}, \text{(iv)}$すべてを覚える必要はなく、1つだけで十分です。
(2026/5)内容を変更しました。
Share:

.png)



