2点
(p1,p2),(q1,q2)を通る直線
lの方程式は
y=q2−p2q1−p1(x−p1)+p2
と表すことができます。
なぜこの式で表すことができるのでしょうか?
2点
(p1,p2),(q1,q2)を通る直線
lの傾き
mは、2点間の変化の割合に等しいので
m=q2−p2q1−p1
と求められます。
すると、直線
lと平行な原点を通る直線の方程式は
y=q2−p2q1−p1x
と書けます。
ところで、原点(0,0)を点(p1,p2)へ平行移動するには、x軸方向にp1、y軸方向にp2だけ移動する必要があります。
この平行移動を直線y=q2−p2q1−p1x全体に対し行います。
原点を通る直線
y=q2−p2q1−p1xをx軸方向に
p1、y軸方向に
p2だけ平行移動した後の直線の方程式は
y−p2=q2−p2q1−p1(x−p1)
と表されます。この直線は直線
y=q2−p2q1−p1xと平行であり原点の平行移動先として対応する点
(p1,p2)を通ります。
p2を移項すると
y=q2−p2q1−p1(x−p1)+p2(1)
となります。
(1)に
x=q1を代入すると
y=q2−p2q1−p1(q1−p1)+p2=(q2−p2)+p2=q2
となり、この直線は点
(q1,q2)を通ることがわかります。
2点(p1,p2),(q1,q2)を通るこの直線は直線lそのものであり、(1)が直線lの方程式であることがわかります。
また、
(1)を展開すると
y=q2−p2q1−p1x−q2−p2q1−p1p1+p2=q2−p2q1−p1x−p1q2−p1p2q1−p1+p2q1−p1p2q1−p1=q2−p2q1−p1x+p2q1−p1q2q1−p1
となり、定数項
p2q1−p1q2q1−p1は一般形
y=ax+bのy切片
bにあたります。
なお、直線
lが原点も通る場合は
p2q1−p1q2q1−p1=0となります。
原点を点
(q1,q2)へ平行移動するのに必要な移動量
x軸方向に
q1、y軸方向に
q2で直線
y=q2−p2q1−p1xを平行移動したときの方程式
y=q2−p2q1−p1(x−q1)+q2(2)
も直線
lとなります。
(2)を展開すると
y=q2−p2q1−p1x−q2−p2q1−p1q1+q2=q2−p2q1−p1x−q1q2−p2q1q1−p1+q1q2−p1q2q1−p1=q2−p2q1−p1x+p2q1−p1q2q1−p1
となり、
(1)を展開した式と同じものが得られます。
また、分数は分母と分子に同じ数を掛けても値が変化しない性質があるので、直線lの傾きq2−p2q1−p1を分母と分子に−1を掛けたp2−q2p1−q1に置き換えても変わらず直線lを表します。
したがって、2点
(p1,p2),(q1,q2)を通る直線
lの方程式の表し方には
y=q2−p2q1−p1(x−p1)+p2y=q2−p2q1−p1(x−q1)+q2y=p2−q2p1−q1(x−p1)+p2y=p2−q2p1−q1(x−q1)+q2
の4通りがあります。(が、2点を通る直線の方程式の公式として覚えるのは1つだけで十分です。)