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2023年9月30日

関数のグラフの平行移動

 関数$y=f(x)$のグラフを平行移動するとそのグラフの方程式はどのように表されるでしょうか?


x軸方向への平行移動

 関数$y=f(x)$のグラフをx軸方向に$p$だけ平行移動した場合を考えます。
y=f(x)とy=f(t)
関数$y=f(x)$と関数$y=f(t)$のグラフを描きます。
$y=f(t)$のグラフは$y=f(x)$のグラフと形は全く同じですが、x軸のかわりに単位長さがx軸と等しいt軸をもちいた座標平面に描かれています。以降、$y=f(x)$のグラフが描かれている座標平面をxy平面、$y=f(t)$のグラフが描かれている座標平面をty平面と呼びます。
y=f(t)のグラフを平行移動後のグラフとすると
2つのグラフがぴったり重なるように2平面を重ね合わせ、ty平面をx軸方向に$p$だけ平行移動します。すなわち、$y=f(t)$のグラフはxy平面上においては$y=f(x)$のグラフをx軸方向に$p$だけ平行移動したものとなります。
$y=f(t)$のグラフをxy平面に移すためには$t$を$x$に変換する必要があります。そのためには、$t$と$x$の関係を求めなければなりません。
そこで、同じ位置にある点のxy平面のx座標とty平面のt座標に着目すると、x座標が$p$の点はt座標では$0$となっていることからわかるようにt座標はx座標から$p$を引いた値となっており、
\[t=x-p\]
という関係が成り立っていることがわかります。
したがって、$y=f(x)$のグラフをx軸方向に$p$だけ平行移動したグラフは$y=f(t)$に上記の$t$と$x$の関係式を代入したものであるため
\[\large y=f(x-p)\]
と表せることがわかります。方程式上では$x$を$x-p$にする変換となります。

y軸方向への平行移動

 関数$y=f(x)$のグラフをy軸方向へ$q$だけ平行移動した場合を考えます。
y軸方向への平行移動はy座標+移動量
$y=f(x)$のグラフをy軸方向へ$q$だけ平行移動したグラフは、$y=f(x)$のグラフ上の各点をそれぞれのy座標に$q$を加えた点へ移動させることでつくれるため
\[\large y=f(x)+q\]
となることはx軸方向への平行移動に比べ直感的に理解しやすいと思います。
 また、x軸方向への平行移動と同様の方法でグラフの方程式を求めることもできます。
y=f(x)とu=f(x)
関数$y=f(x)$と関数$u=f(x)$のグラフを描きます。
$y=f(x)$と$y=f(t)$のグラフと同様に、2つのグラフの形は全く同じですが、$u=f(x)$のグラフはy軸ではなくu軸をもちいた座標平面に描かれています。以降、この平面をxu平面と呼びます。
u=f(x)のグラフを平行移動後のグラフとすると
2つのグラフがぴったり重なるように2平面を重ね合わせ、xu平面をy軸方向に$q$だけ平行移動します。すなわち、$u=f(x)$のグラフはxy平面においては$y=f(x)$のグラフをy軸方向に$q$だけ平行移動したものとなります。
$u=f(x)$のグラフをxy平面に移すために$y$と$u$の関係を求めます。
xy平面のy座標とxu平面のu座標に着目すると、y座標が$q$のときu座標は$0$となっていることからわかるようにu座標はy座標から$q$を引いた値となっており、
\[u=y-q\]
という関係があることがわかります。
したがって、$y=f(x)$のグラフをy軸方向に$q$だけ平行移動したグラフの方程式は
\[\large y-q=f(x)\]
と表せることがわかります。方程式上では$y$を$y-q$にする変換となります。
$y=\cdots$という形では
\[\large y=f(x)+q\]
となります。

 以上より、関数$y=f(x)$のグラフをx軸方向に$p$、y軸方向に$q$だけ平行移動したグラフの方程式は、$x$を$x-p$にする変換と$y$を$y-q$にする変換の両方を行うので
\[\large y-q=f(x-p)\]
$y=\cdots$という形にすれば
\[\large y=f(x-p)+q\]
で表されることがわかります。

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