例として定数をもちいた不等式
に対し基本的な操作を行います。
この位置関係が不等式の表すものとなっています。
足す
両辺に定数を加えると
となります。
この操作では数直線においては以下のような変化が起きています。
平行移動では2点の位置関係が変わることはないので、が成り立つことがわかります。
引く
両辺から定数を引くと
となります。
この操作では上の数直線においては以下のような変化が起きています。
を加えた場合同様、平行移動では2点の位置関係が変わることはないので、が成り立つことがわかります。
ここからは数直線を2本使い、座標平面で表します。
掛ける
両辺に定数を掛けるとき、3つの場合に分かれます。
が正の定数のとき
が正の定数、すなわちのとき
となります。
この操作を座標平面で見ると以下のようになります。
これら直線の方程式のが両辺に掛ける数、がその積にあたります。
すなわち、不等式の両辺にを掛けるという操作は、がからに変化することを意味し、その大小関係はそれらの点のy座標に表れることになります。
における2つの直線上の点はそれぞれとなります。これら2点を比較すると、不等式より点のほうがy座標が大きいので、点よりも上に位置します。
これはつまり、直線の傾きはのほうが大きく、より右上がりの直線であるということです。
次はにおける2つの直線上の点の座標を求めてみます。
すると、それぞれとなります。より、これらの点はx軸の正の部分に存在しています。
直線の傾きと点の存在範囲より、点のほうが点よりも上に位置しています。
したがって、2点のy座標の大小関係よりが成り立つことがわかります。
のとき
のとき、両辺ともになります。したがって、
となります。
が負の定数のとき
が負の定数、すなわちのとき
となります。
この操作を座標平面で見ると以下のようになります。
より2点はx軸の負の部分に存在しています。
直線の傾きと点の存在範囲より、点のほうが点よりも上に位置しています。
したがって、2点のy座標の大小関係よりが成り立つことがわかります。
割る
両辺に定数を割るとき、2つの場合に分かれます。
が正の定数のとき
が正の定数、すなわちのとき
となります。
この操作を座標平面で見ると以下のようになります。
定数で割ることはの逆数を掛けることに等しいので、この操作はがからに変化することを意味します。
における2つの直線上のそれぞれの点に着目すれば良いことがわかります。
正の定数の逆数もまた正の定数であるため、2点はx軸の正の部分に存在しています。
直線の傾きと点の存在範囲より、点のほうが点よりも上に位置しています。
したがって、2点のy座標の大小関係よりが成り立つことがわかります。
が負の定数のとき
が負の定数、すなわちのとき
となります。
この操作を座標平面で見ると以下のようになります。
負の定数の逆数もまた負の定数であるため、2点はx軸の負の部分に存在しています。
直線の傾きと点の存在範囲より、点のほうが点よりも上に位置しています。
したがって、y座標に着目するとが成り立つことがわかります。
なお、で割ることはできないので、の場合を考えることはできません。
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