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2023年9月17日

4点A,B,C,Dについて∠ACB=∠ADB=90°が成り立つとき必ず円周角の定理の逆は使えるか?

 4点A, B, C, DについてACB=ADB=90°が成り立つとき、これら4点は常に同一円周上にあるといえます。
このとき、4点が同一円周上にあるといえる根拠は円周角の定理の逆だけでしょうか?

 結論からいうと円周角の定理の逆だけが常に4点が同一円周上にあるといえる根拠ではありません。
なぜなら、円周角の定理の逆とは
直線ABに関して2点C, Dが同じ側にある4点A, B, C, DについてACB=ADBが成り立つときこれら4点は同一円周上にある
という定理だからです。
円周角の定理の逆が使える場合
円周角の定理の逆には「直線ABに関して2点C, Dが同じ側にある」という4点に関する位置条件があるため、上図のような4点の場合のみ根拠にすることができます。
円周角の定理の逆が使えない場合
では、上図のような「直線ABに関して2点C, Dが互いに反対側にある」ときは何が根拠となるのかというと、円に内接する四角形の対角の性質の逆またはタレスの定理の逆となります。

 円に内接する四角形の対角の性質の逆とは
四角形の対角の和が180°のとき、頂点の4点は同一円周上にある
というものです。
これを利用すると上図のACB,ADBは四角形ACBDの対角で、どちらも直角であるのでACB+ADB=180°となり、4点A, B, C, Dは同一円周上にあることがわかります。

 タレスの定理の逆とは
ACBが直角である直角三角形ABCの外接円は斜辺ABを直径とする
という定理です。
これを利用すると以下のように4点が同一円周上にあることを示すことができます。
タレスの定理の逆を利用して4点が同一円周上にあることを示す
 ACB=ADB=90°よりABCACBが直角である直角三角形、ABDADBが直角である直角三角形であることがわかります。

ABCに着目するとタレスの定理の逆より、この三角形の外接円は斜辺ABを直径とします。
ABDに着目するとタレスの定理の逆より、この三角形の外接円は斜辺ABを直径とします。

線分ABを直径とする円はただ1つなので、ABCの外接円とABDの外接円は同一の円であることがわかります。
ゆえに、4点A, B, C, Dは同一円周上にあることがわかります。

このように「4点A, B, C, DについてACB=ADB=90°が成り立つ」とき、円周角の定理の逆を利用して4点が同一円周上にあることを示すことができない場合が存在します。

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