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2024年10月10日

三角形の傍心

三角形の傍心
 三角形の傍心とは、三角形の1つの内角の二等分線と他の2つの内角に対する外角の二等分線の交点のことで、どの三角形にも傍心が3個存在します。
三角形の1つの内角の二等分線と他の2つの外角の二等分線が1点で交わることを確かめます。

2つの外角の二等分線と内角の二等分線が1点で交わることを確かめる
 $△ABC$の2つの外角$B,C$の二等分線の交点を$P$とします。
点$P$が傍心であるならば直線$AP$は内角$A$の二等分線となるはずなので、これを確かめます。

点$P$から直線$AB,BC,CA$へそれぞれ垂線をおろし、その足を$Q,R,S$とします。
すると、外角$B$の二等分線において2直線がつくる角の二等分線の性質より$PQ=PR$、
同様に外角$C$の二等分線において$PR=PS$となるので、$PQ=PS$であることがわかります。

$△APQ$と$△APS$に着目すると
  • 線分$PQ,PS$はそれぞれ直線$AB,CA$に対する垂線なので$∠AQP=∠ASP=90°$
  • また、$PQ=PS$
  • 共通の辺なので$AP=AP$
斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しいので$△APQ$と$△APS$は合同であることがわかります。

ゆえに$∠PAQ=∠PAS$で、$∠QAS=∠PAQ+∠PAS$より$∠PAQ=∠PAS=\dfrac{∠QAS}{2}$です。
$∠QAS$は2直線$AB,CA$がつくる角なので直線$AP$はその二等分線であることがわかります。

以上より、$△ABC$の内角$A$の二等分線と外角$B,C$それぞれの二等分線は1点で交わることを確かめることができました。
これは内角$B$と外角$A,C$、内角$C$と外角$A,B$の場合でも同様なので、傍心は1個の三角形に3個存在することがわかります。


 ここで、上述より内角$A$に対する傍心から直線$AB,BC,CA$へそれぞれおろした垂線の長さが等しいことがわかりましたが、これは内角$A$に対する傍心が3直線$AB,BC,CA$を接線とする円の中心であるということです。この円を傍接円といいます。
同様に内角$B,C$それぞれに対する傍心も3直線$AB,BC,CA$を接線とする円の中心となります。
さらに$△ABC$の内接円の中心である内心$I$も3直線$AB,BC,CA$を接線とする円の中心であるといえるので、1点で交わらない互いに平行でない3直線を接線とする円の中心は3直線によってできる三角形の内心と傍心となります。
内接円と内心、傍接円と傍心

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