横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2024年10月20日

座標平面上の2点間の距離

 座標平面上の2点$A(x_a,y_a),B(x_b,y_b)$間の距離$AB$は
\[\large AB=\sqrt{(x_b-x_a)^2+(y_b-y_a)^2}\]
と表すことができます。

なぜこのように表すことができるのかを考えてみます。


1. $x_a=x_b$または$y_a=y_b$のとき

1-1. $x_a=x_b=0$または$y_a=y_b=0$のとき

 $x_a=x_b=0$または$y_a=y_b=0$のときというのは、2点$A,B$が同じ座標軸上にあるときです。
座標軸は数直線なので「数直線上の2点間の距離」より$AB$を求めることができます。
y軸上の2点間の距離はy座標の差分の絶対値
$x_a=x_b=0$のとき、2点$A,B$はともにy軸上にあり、各点が位置する数直線上の数とはy座標のことなので$AB$は
\[AB=|y_b-y_a|\ (=|y_a-y_b|)\]
となります。
x軸上の2点間の距離はx座標の差分の絶対値
$y_a=y_b=0$のとき、2点$A,B$はともにx軸上にあり、各点が位置する数直線上の数とはx座標のことなので$AB$は
\[AB=|x_b-x_a|\ (=|x_a-x_b|)\]
となります。

1-2. $x_a=x_b\neq0$または$y_a=y_b\neq0$のとき

 $x_a=x_b\neq0$または$y_a=y_b\neq0$のとき、2点$A,B$は同じ座標軸上にはありませんが、平行移動することで2点とも同じ座標軸上へ移すことができます。
したがって、1-1.と同様にして2点間の距離を求めることができます。
x座標またはy座標が等しい2点間の距離は平行移動すると同じ座標軸上の2点間の距離で考えられる
上図のように$x_a=x_b=p$(ただし、$p\neq0$)のとき、線分$AB$はy軸に平行なので2点ともx軸方向に$-p$だけ平行移動するとy軸上に移すことができます。
すると、$AB$は平行移動後の2点$A',B'$間の距離$A'B'$に等しいので
\[AB=A'B'=|y_b-y_a|\]
であることがわかります。
$y_a=y_b=q$(ただし、$q\neq0$)のときも同様にして
\[AB=|x_b-x_a|\]
で求められます。

 以上より、1.の場合の$AB$は
\[AB=\begin{cases}|y_b-y_a|&(x_a=x_b)\\[0.5em]|x_b-x_a|&(y_a=y_b)\end{cases}\]
となります。

2. $x_a\neq x_b$かつ$y_a\neq y_b$のとき

三平方の定理を利用してABを求める
 $x_a\neq x_b$かつ$y_a\neq y_b$のとき、座標が$(x_a,y_b)$または$(x_b,y_a)$である点$C$をとって$△ABC$をつくり、三平方の定理を利用して$AB$を求めます。

ここでは点$C$の座標を$(x_b,y_a)$とします。
辺$AC$の長さは1.より$|x_b-x_a|$、辺$BC$の長さも同様に1.より$|y_b-y_a|$となります。
x軸とy軸は互いに垂直なので、x軸に平行な辺$AC$とy軸に平行な辺$BC$も互いに垂直です。したがって、$△ABC$は$∠B$が直角の直角三角形であることがわかります。

すると、三平方の定理より
\[AB^2=AC^2+BC^2\]
が成り立つので、この式から辺$AB$の長さを求めると
\begin{align*}AB^2&=|x_b-x_a|^2+|y_b-y_a|\\[0.5em]&=(x_b-x_a)^2+(y_b-y_a)^2&(\because |x|^2=x^2)\\[0.5em]AB&=\sqrt{(x_b-x_a)^2+(y_b-y_a)^2}&(\because AB\geqq0)\end{align*}
となります。
これは1.の場合も満たします。
$x_a=x_b=p$($p:$すべての実数)のとき、1.によれば$AB$は
\[AB=|y_b-y_a|\]
2.によれば
\begin{align*}AB&=\sqrt{(k-k)^2+(y_b-y_a)^2}\\[0.5em]&=\sqrt{0+(y_b-y_a)^2}\\[0.5em]&=\sqrt{(y_b-y_a)^2}\\[0.5em]&=|y_b-y_a|&(\because \sqrt{x^2}=|x|)\end{align*}
となり一致します。
これは$y_a=y_b=q$($q:$すべての実数)のときも同様です。
したがって、2点$A,B$がどこにあるかにかかわらず、これら2点間の距離$AB$は
\[\large AB=\sqrt{(x_b-x_a)^2+(y_b-y_a)^2}\]
と表せることがわかります。

Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

PR

ブログランキング・にほんブログ村へ