11からnnまでの自然数をすべて足し合わせると、その和SSは
S=n(n+1)2S=n(n+1)2
となります。
この式を2通りの方法で導いてみます。
方法1
11からnnまでの自然数を小さい順に足し合わせたとき、この和はSSとなり
S=1+2+3+⋯+(n−2)+(n−1)+nS=1+2+3+⋯+(n−2)+(n−1)+n(1)
と表すことができます。
今度は、11からnnまでの自然数を大きい順に足し合わせると、この和もSSとなるので、
S=n+(n−1)+(n−2)+⋯+3+2+1S=n+(n−1)+(n−2)+⋯+3+2+1(2)
と表せます。
(1)+(2)(1)+(2)より
S=1+2+3+⋯+(n−2)+(n−1)+n+)S=n+(n−1)+(n−2)+⋯+3+2+12S=(n+1)+(n+1)+(n+1)+⋯+(n+1)+(n+1)+(n+1)S=1+2+3+⋯+(n−2)+(n−1)+n+)S=n+(n−1)+(n−2)+⋯+3+2+12S=(n+1)+(n+1)+(n+1)+⋯+(n+1)+(n+1)+(n+1)
11からnnまでの自然数の個数はnn個なので、(n+1)(n+1)はnn個あることより
2S=n(n+1)2S=n(n+1)
となります。
これを両辺を22で割ると
S=n(n+1)2S=n(n+1)2
という11からnnまでの自然数をすべて足し合わせたときの和を表す式を得ることができます。
方法2
この方法では、恒等式
(k+1)2−k2=2k+1(k+1)2−k2=2k+1
を利用します。
上の恒等式のkkに11からnnまでの自然数を1つずつ代入して、nn個の式をつくります。
すると、以下のような式ができます。
すると、以下のような式ができます。
22−12=2⋅1+132−22=2⋅2+142−32=2⋅3+1⋮⋮(n−1)2−(n−2)2=2(n−2)+1n2−(n−1)2=2(n−1)+1(n+1)2−n2=2n+122−12=2⋅1+132−22=2⋅2+142−32=2⋅3+1⋮⋮(n−1)2−(n−2)2=2(n−2)+1n2−(n−1)2=2(n−1)+1(n+1)2−n2=2n+1
これらの式の辺々を加えます。
22−12=2⋅1+132−22=2⋅2+142−32=2⋅3+1⋮⋮(n−1)2−(n−2)2=2(n−2)+1n2−(n−1)2=2(n−1)+1+)(n+1)2−n2=2n+1(n+1)2−12=2{1+2+⋯+(n−1)+n}+(1+1+⋯+1+1⏟n個)22−12=2⋅1+132−22=2⋅2+142−32=2⋅3+1⋮⋮(n−1)2−(n−2)2=2(n−2)+1n2−(n−1)2=2(n−1)+1+)(n+1)2−n2=2n+1(n+1)2−12=2{1+2+⋯+(n−1)+n}+(1+1+⋯+1+1n個)
すると、
(n+1)2−1=2S+n(n+1)2−1=2S+n
という式が得られます。
この式をSSについて解くと
(n2+2n+1)−1=2S+nn2+2n=2S+n2S=n2+n=n(n+1)∴S=n(n+1)2(n2+2n+1)−1=2S+nn2+2n=2S+n2S=n2+n=n(n+1)∴S=n(n+1)2
となり、11からnnまでの自然数をすべて足し合わせたときの和を表す式を得ることができます。
ちなみに、11からnnまでの自然数をすべて足し合わせたときの和は、自然数を小さい順に並べた数列の第nn部分和でもあり、この数列の一般項はnnであることから
S=n∑k=1kS=n∑k=1k
と書くことができます。
したがって、
n∑k=1k=n(n+1)2n∑k=1k=n(n+1)2
が成り立ちます。
以下に紹介する動画のように視覚的に説明することもできます。
動画:Sum of n natural numbers | Visual Proof | MathVsScience | math - YouTube
動画:Sum of n natural numbers | Visual Proof | MathVsScience | math - YouTube
Share: