初項
a、公差
dの等差数列の初項から第
n項までの和は
n2{2a+(n−1)d}
初項
aから末項
lまでの
n個の項の和は
n2(a+l)
で求めることができます。
なぜこれらの式で等差数列の和が求められるのでしょうか?
等差数列の和は、1から100までの自然数の和を求めるときの方法を利用します。
1から
100までの自然数を小さい順に足し、その和を
Sとすると
S=1+2+3+⋯+98+99+100
となります。
今度は
1から
100までの自然数を大きい順に足します。この和も
Sとなるので
S=100+99+98+⋯+3+2+1
と書けます。
これらの式の辺々を加えると
S=1+2+3+⋯+98+99+100+)S=100+99+98+⋯+3+2+12S=(1+100)+(2+99)+(3+98)+⋯+(98+3)+(99+2)+(100+1)=101+101+101+⋯+101+101+101
となり、
1から
100までの自然数の個数は
100なので、
101の項が
100個あることから
2S=101×100
と書けます。これを
Sについて解くと
2S=10100S=101002=5050
となり、
1から
100までの自然数の和は
5050と求めることができます。
初項
a、公差
dの等差数列の一般項は
an=a+(n−1)d
と書けます。
したがって、初項から第
n項までを順に足していったときの和
Snは
Sn=a+(a+d)+(a+2d)+⋯+{a+(n−3)d}+{a+(n−2)d}+{a+(n−1)d}(1)
となります。
今度は、第
n項から初項までを順に足していくと、この和も
Snとなるので
Sn={a+(n−1)d}+{a+(n−2)d}+{a+(n−3)d}+⋯+(a+2d)+(a+d)+a(2)
と書けます。
(1)+(2)より
Sn=a+(a+d)+(a+2d)+⋯+{a+(n−3)d}+{a+(n−2)d}+{a+(n−1)d}+)Sn={a+(n−1)d}+{a+(n−2)d}+{a+(n−3)d}+⋯+(a+2d)+(a+d)+a2Sn={2a+(n−1)d}+{2a+(n−1)d}+{2a+(n−1)d}+⋯+{2a+(n−1)d}+{2a+(n−1)d}+{2a+(n−1)d}
となり、初項から第
n項までの項数は
nなので、
2a+(n−1)dの項が
n個あることから
2Sn={2a+(n−1)d}n
と書けます。これを
Sについて解くと
Sn={2a+(n−1)d}n2∴Sn=n2{2a+(n−1)d}(*)
となり、これが等差数列の初項から第
n項までの和を表す式となります。
また、第
n項を末項
lとすると
l=a+(n−1)dとなるので、これを
(∗)に代入すると
Sn=n2[a+{a+(n−1)d}]∴Sn=n2(a+l)
となります。
ちなみに、初項
1、公差
1の等差数列は自然数を小さい順に並べた数列であり、その初項から第
n項までの和
Sは
(∗)に
a=1,d=1を代入した
S=n2{2⋅1+(n−1)⋅1}=n2{2+(n−1)}∴S=n(n+1)2
となります。