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2025年3月26日

等比数列の和

 初項a、公比rの等比数列の初項から第n項までの和は
r=1のとき
na
r1のとき
a(1rn)1r or a(rn1)r1
で求めることができます。
なぜこれらの式で等比数列の和が求められるのでしょうか?

 初項a、公比rの等比数列の一般項は
an=arn1
となります。
したがって、初項から第n項まで順に足していったときの和Sn
(1)Sn=a+ar+ar2++arn3+arn2+arn1
となります。

r=1のとき

 r=1のときSn
Sn=a+a+a++a+a+anSn=na
となります。

r1のとき

 r1のとき、(1)の両辺にrを掛けると
(2)rSn=ar+ar2+ar3+ +arn2+arn1+arn
となり、同じ等比数列の第2項から第n+1項までの和となります。
(1)(2)より
Sn=a+ar+ar2++arn3+arn2+arn1)rSn=ar+ar2++arn3+arn2+arn1+arnSnrSn=aarn
となり、Snについて解くと
(1r)Sn=a(1rn)Sn=a(1rn)1r
となり、これが等比数列の初項から第n項までの和を表す式となります。ただし、両辺を1rで割るとき、r1であることが条件となります。
また、上記の式の両辺に1を掛け、右辺の1だけを以下のように変形すると
Sn1=a(1rn)1r1Sn=a(1rn)1r11(1=11)=a{(1rn)(1)}(1r)(1)=a(1+rn)1+rSn=a(rn1)r1
となります。これがもう1つの等比数列の初項から第n項までの和を表す式となります。
 a(1rn)1ra(rn1)r1のどちらの式でも等比数列の初項から第n項までの和を求めることができますが、右辺の分母が正の値となるようにrの値によって使い分けると少しだけ計算が楽になります。

例:a=2,r=3,n=4の場合

Sn=a(1rn)1rをもちいると
S=2{1(3)4}1(3)=2(181)4=2(80)4(約分)=2(20)=40
Sn=a(rn1)r1をもちいると
Sn=2{(3)41}31=2(811)4=2804(約分)=2201=220111=2201=40
というような計算過程となります。
この例の場合、前者のほうをもちいれば後者の赤く示した分母を正にする過程部分がないので、その分計算が楽になります。

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