初項a、公比r(ただし、r\neq1)の等比数列の初項から第n項までの和は
\large\frac{a(1-r^n)}{1-r}
または\large\frac{a(r^n-1)}{r-1}
で求めることができます。なぜこれらの式で等比数列の和が求められるのでしょうか?
初項a、公比rの等比数列の一般項は
a_n=a r^{n-1}
となります。
したがって、初項から第n項まで順に足していったときの和S_nは
\begin{equation}\begin{aligned}S_n&=a+ar+ar^2+\cdots\ &\quad
+a r^{n-3}+a r^{n-2}+a r^{n-1}\end{aligned}\end{equation}
となります。
ここで、(1)の両辺にrを掛けると
\begin{equation}\begin{aligned}r S_n&=ar+ar^2+ar^3+\cdots\ &\quad
+a r^{n-2}+a r^{n-1}+a r^n\end{aligned}\end{equation}
となり、同じ等比数列の第2項から第n+1項までの和となります。
(1)-(2)より
\begin{array}{lrllllllll}&S_n=&a&+a r&+ar^2&+\cdots&+a r^{n-3}&+a r^{n-2}&+a r^{n-1}&\\[0.5em]-)&r S_n=&&\hspace{0.75em}a r&+ar^2&+\cdots&+a r^{n-3}&+a r^{n-2}&+a r^{n-1}&+a r^n\\[0.5em]\hline
&S_n-r S_n=&a&&&&&&&-a r^n\end{array}
となり、S_nについて解くと
\begin{align*}(1-r)S_n&=a(1-r^n)\\[0.5em]\therefore \large
S_n&\large=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\end{align*}
となり、これが等比数列の初項から第n項までの和を表す式となります。ただし、両辺を1-rで割るとき、r\neq1であることが条件となります。
また、上記の式の両辺に1を掛け、右辺の1だけを以下のように変形すると
\begin{align*}S_n\cdot1&=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\cdot1\\[0.5em]S_n&=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\cdot\frac{-1}{-1}&\left(\because1=\frac{-1}{-1}\right)\\[0.5em]&=\frac{a\bigl\{(1-r^n)\cdot(-1)\bigr\}}{(1-r)\cdot(-1)}\\[0.5em]&=\frac{a(-1+r^n)}{-1+r}\\[0.5em]\therefore\large
S_n&\large=\frac{a(r^n-1)}{r-1}\end{align*}
となります。これがもう1つの等比数列の初項から第n項までの和を表す式となります。
どちらの式でも等比数列の初項から第n項までの和を求めることができますが、右辺の分母が正の値となるようにrの値によって使い分けると少しだけ計算が楽になります。
例:a=2,r=-3,n=4の場合
S_n=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}をもちいると
この例の場合、前者のほうをもちいれば後者の赤く示した分母を正にする過程部分がないので、その分計算が楽になります。
\begin{align*}S&=\frac{2\bigl\{1-(-3)^4\bigr\}}{1-(-3)}\\[0.5em]&=\frac{2\left(1-81\right)}{4}\\[0.5em]&=\frac{2\cdot(-80)}{4}\\[0.5em]&=2\cdot(-20)\tag{約分}\\[0.5em]&=-40\end{align*}
S_n=\dfrac{a(r^n-1)}{r-1}をもちいると
\begin{align*}S_n&=\frac{2\bigl\{(-3)^4-1\bigr\}}{-3-1}\\[0.5em]&=\frac{2(81-1)}{-4}\\[0.5em]&=\frac{2\cdot80}{-4}\\[0.5em]&=\frac{2\cdot20}{-1}\tag{約分}\\[0.5em]&\textcolor{red}{=\frac{2\cdot20}{-1}\cdot\frac{-1}{-1}}\\[0.5em]&\textcolor{red}{=\frac{-2\cdot20}{1}}\\[0.5em]&=-40\end{align*}
というような計算過程となります。この例の場合、前者のほうをもちいれば後者の赤く示した分母を正にする過程部分がないので、その分計算が楽になります。
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