「脚の長さが等しい台形」というのは平行四辺形にも当てはまりますが、等脚台形とは主に上図のような典型的な形の台形の中で脚の長さが等しいもののことを指し、すべての平行四辺形が等脚台形であるわけではありません。
(平行四辺形は平行な対辺の他、脚も平行な台形のことであり、2組の対辺の長さが等しいという性質があります。)
(平行四辺形は平行な対辺の他、脚も平行な台形のことであり、2組の対辺の長さが等しいという性質があります。)
なので、等脚台形だけがもつ性質でどのような台形かを説明しなければなりません。
そこで、以下のように考えます。
そこで、以下のように考えます。
AB//CD,
AD=BCAB//CD,
AD=BCである台形ABCDABCDを考えます。
頂点A, BA, Bからそれぞれ底辺CDCDまたはその延長へ垂線をおろし、その足をE, FE, Fとします。
頂点A, BA, Bからそれぞれ底辺CDCDまたはその延長へ垂線をおろし、その足をE, FE, Fとします。
△ADE△ADEと△BCF△BCFに着目すると
このことから∠ADE=∠BCF∠ADE=∠BCFです。
- 仮定よりAD=BCAD=BC
- 四角形ABFEABFEは長方形なのでAE=BFAE=BF
- AE⊥CDAE⊥CDかつBF⊥CDBF⊥CDより∠AED=∠BFC=90°∠AED=∠BFC=90°
このことから∠ADE=∠BCF∠ADE=∠BCFです。
ここで、点E,
FE,
Fの一方が辺CDCD上にあり、もう一方が辺CDCDの延長上にあるとき、∠ADE∠ADEと∠BCF∠BCFは同位角となるためAD//BCAD//BCが成り立つ、すなわち台形ABCDABCDは平行四辺形となります。このときの台形は等脚台形ではありません。
点E,
FE,
Fがともに辺CDCD上、または辺CDCDの延長上にあるとき、∠ACE∠ACEと∠BDF∠BDFはそれぞれ台形ABCDABCDの内角∠D,∠C∠D,∠Cまたは内角∠D,∠C∠D,∠Cの外角となります。…(∗)(∗)
いずれの場合でも∠C=∠D∠C=∠Dが成り立ち、このときの台形ABCDABCDが等脚台形となります。
また、台形の性質より∠A+∠D=∠B+∠C=180°∠A+∠D=∠B+∠C=180°が成り立つので、このとき∠A=∠B∠A=∠Bも成り立つことがわかります。
いずれの場合でも∠C=∠D∠C=∠Dが成り立ち、このときの台形ABCDABCDが等脚台形となります。
また、台形の性質より∠A+∠D=∠B+∠C=180°∠A+∠D=∠B+∠C=180°が成り立つので、このとき∠A=∠B∠A=∠Bも成り立つことがわかります。
したがって、等脚台形には底辺の両端の内角が等しいという性質があることがわかります。
次に、AB//CD,∠C=∠DAB//CD,∠C=∠Dである台形ABCDABCDを考えます。
頂点A, BA, Bからそれぞれ底辺CDCDまたはその延長へ垂線をおろし、その足をE, FE, Fとします。
頂点A, BA, Bからそれぞれ底辺CDCDまたはその延長へ垂線をおろし、その足をE, FE, Fとします。
△ADE△ADEと△BCF△BCFに着目すると
このことからAD=BCであり、上述の等脚台形の性質をすべてもっていることから、台形ABCDは等脚台形であることがわかります。
- 仮定∠D=∠C∠D=∠C、すなわち∠ADE=∠BCF∠ADE=∠BCFと∠AED=∠BFC=90°∠AED=∠BFC=90°より∠DAE=∠CBF
- 四角形ABFEは長方形なのでAE=BF
- AE⊥CDかつBF⊥CDより∠AED=∠BFC=90°
このことからAD=BCであり、上述の等脚台形の性質をすべてもっていることから、台形ABCDは等脚台形であることがわかります。
したがって、1つの底辺の両端の内角が等しい台形は等脚台形であることがわかります。
以上より、等脚台形には底辺の両端の内角が等しいという性質があり、逆に底辺の両端の内角が等しい台形は等脚台形であることがわかったので、等脚台形は底辺の両端の内角が等しい台形であるということができます。
ここで、(∗)で点E, Fがそれぞれ頂点D,
Cと一致するときに着目すると、台形ABCDは∠C=∠D=90°である等脚台形となり、これは長方形でもあります。
∠C=∠Dでありながら平行四辺形の性質「1辺の両端の内角の和が180°」、すなわち∠C+∠D=180°を満たすのは∠C=∠D=90°のときだけであることから、長方形だけが平行四辺形かつ等脚台形である四角形であることがわかります。なお、正方形は長方形の一種です。
∠C=∠Dでありながら平行四辺形の性質「1辺の両端の内角の和が180°」、すなわち∠C+∠D=180°を満たすのは∠C=∠D=90°のときだけであることから、長方形だけが平行四辺形かつ等脚台形である四角形であることがわかります。なお、正方形は長方形の一種です。
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