1本の対角線で分割してできる三角形
$△ABC$において辺$AB$を底辺とすると、高さは頂点$C$から辺$AB$またはその延長へおろした垂線の長さとなります。
$△ABC$の高さを$h$とおくと、その面積は
$△ABC$の高さを$h$とおくと、その面積は
\begin{equation}\triangle ABC=\frac{h}{2}\cdot AB\end{equation}
となります。
同様に、$△ACD$において辺$CD$を底辺とすると、高さは頂点$A$から辺$CD$またはその延長へおろした垂線の長さとなります。
$△ACD$の高さを$h'$とおくと、その面積は
$△ACD$の高さを$h'$とおくと、その面積は
\begin{equation}\triangle ACD=\frac{h'}{2}\cdot CD\end{equation}
となります。
ところで、台形$ABCD$の高さは底辺$AB,CD$いずれかの辺上の1点からもう一方の底辺またはその延長へおろした垂線の長さとなります。
すなわち、台形$ABCD$と$△ABC,△ACD$の高さは等しいということであり、$h=h'$が成り立ちます。
すると、$(1),(2)$はそれぞれ
すなわち、台形$ABCD$と$△ABC,△ACD$の高さは等しいということであり、$h=h'$が成り立ちます。
すると、$(1),(2)$はそれぞれ
\begin{align*}\triangle ABC&=\frac{h}{2}\cdot
AB\tag*{(1)'}\\[1em]\triangle ACD&=\frac{h}{2}\cdot
CD\tag*{(2)'}\end{align*}
と書けます。
したがって、$(1)',(2)'$より$△ABC$と$△ACD$の面積比は
\begin{align*}\triangle ABC:\triangle ACD&=\frac{h}{2}\cdot
AB:\frac{h}{2}\cdot CD\\[0.5em]&=AB:CD\end{align*}
となり、上底$AB$と下底$CD$の長さの比に等しいことがわかります。これは対角線$BD$で分割した場合も同様です。
$AB//CD$である台形$ABCD$において、1本の対角線で分割してできる三角形のうち辺$AB$を含む三角形は、対角線$AC$で分割したときの$△ABC$と対角線$BD$で分割したときの$△ABD$の2つがありますが、これらの面積は等しくなります。
2本の対角線で分割してできる三角形
台形を2本の対角線で分割すると4つの三角形ができます。
このうち台形の上底を含む三角形と下底を含む三角形は相似比が$(\textbf{上底}):(\textbf{下底})$の相似な三角形であり、面積比は$(\textbf{上底})^2:(\textbf{下底})^2$となります。
このうち台形の上底を含む三角形と下底を含む三角形は相似比が$(\textbf{上底}):(\textbf{下底})$の相似な三角形であり、面積比は$(\textbf{上底})^2:(\textbf{下底})^2$となります。
$△PAB$と$△PCD$に着目すると
- $AB//CD$より錯角が等しいので$∠EAB=∠ECD$
- 同様に$∠EBA=∠EDC$
- 対頂角は等しいので$∠AEB=∠CED$
相似な図形の面積比はその相似比の2乗に等しいので$AB^2:CD^2$となります。
$△PAD$と$△ABD,△PAB$の面積の関係に着目すると
\begin{equation}\triangle PAD=\triangle ABD-\triangle
PAB\end{equation}
が成り立ちます。
また、$△PBC$と$△ABC,△PAB$の面積の関係に着目すると
\begin{equation}\triangle PBC=\triangle ABC-\triangle
PAB\end{equation}
が成り立ちます。
ところで、$△ABD$と$△ABC$の面積は等しいです。
したがって、
したがって、
\begin{align*}\triangle ABD&=\triangle ABC\\[0.5em]\triangle
ABD-\triangle PAB&=\triangle ABC-\triangle PAB\\[0.5em]\triangle
PAD&=\triangle PBC&\bigl(\because (3),(4)\bigr)\end{align*}
となり、台形$ABCD$を2本の対角線$AC,BD$で分割してできた4つの三角形のうち脚$AD$または$BC$を含む三角形$△PAD,△PBC$の面積が等しいことがわかります。
Share: