「上図の角度
x,yをそれぞれ求めよ。
(1)の点
Iは
△ABCの内心、(2)の点
Oは
△DEFの外心である。」
角度x,yはそれぞれ外心・内心の性質に着目すると求めることができます。
(1)
三角形の内心は、三角形の内接円の中心であり、内角の二等分線の交点でもあります。
したがって、線分
BIを引くと、これは
∠Bの二等分線となります。
また、線分
AI, CIもそれぞれ
∠A,∠Cの二等分線なので、
∠IAB=∠IAC=α, ∠IBA=∠IBC=β, ∠ICA=∠ICB=γとおくことができます。
すると、三角形の内角の和は
180°なので、
△ABCにおいて
∠A+∠B+∠C=180°(∠IAB+∠IAC)+(∠IBA+∠IBC)+(∠ICA+∠ICB)=180°2α+2β+2γ=180°2(α+β+γ)=180°
となり、両辺を
2で割ると
α+β+γ=90°(a)
が導かれます。
△IACにおいて
∠AIC+∠IAC+∠ICA=180°146°+α+γ=180°
となり、整理すると
α+γ=34°(b)
が導かれます。
(a), (b)より
34°+β=90°β=56°
x=∠B=2βなので両辺に
2を掛けると
2β=112°
すなわち、
x=112°
と求められます。
(2)
したがって
△DEFの外接円
Oにおいて、
∠DOFは弦
DFに対する中心角、
∠DEFは弦
DFに対する円周角なので、円周角の定理より
∠DOF=2∠DEF
が成り立ちます。
∠DOF=y,∠DEF=38°なので
y=2⋅38°=76°
と求められます。
別解
(1)と似たような解き方もできます。
点
Oは
△DEFの外接円の中心なので、線分
EOを引くと
DO=EO=FOが成り立ち、
△ODE,△OEF,△OFDは二等辺三角形となります。
このことから、
∠ODE=∠OED=δ, ∠OEF=∠OFE=ε, ∠OFD=∠ODF=ζとおくことができます。
すると、
△DEFにおいて
∠D+∠E+∠F=180°(∠ODE+∠ODF)+(∠OED+∠OEF)+(∠OFD+∠OFE)=180°(δ+ζ)+(δ+ε)+(ζ+ε)=180°2δ+2ε+2ζ=180°2(δ+ε+ζ)=180°
となり、両辺を
2で割ると
δ+ε+ζ=90°(c)
が導かれます。
また、
∠E=38°より
δ+ε=38°
なので、これを
(c)に代入すると
38°+ζ=90°ζ=52°(d)
であることがわかります。
△OFDにおいて
∠DOF+∠OFD+∠ODF=180°y+2ζ=180°
であり、
(d)を代入して
yについて解くと
y+2⋅52°=180°y+104°=180°y=76°
と求められます。
(2024/11)(2)の解法に加筆しました。