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2022年12月12日

二等辺三角形の特徴

二等辺三角形の特徴
 二等辺三角形には、以下の特徴があります。
  1. 2辺の長さが等しい。
  2. 2つの内角の大きさが等しい。
  3. 頂点から底辺へ引く垂線は垂直二等分線かつ頂角の二等分線になる。

1.の特徴は名称通り、定義通りのものですが、なぜ2.、3.の特徴を持つ三角形も二等辺三角形であると言えるのでしょうか?


 まずは、二等辺三角形に2.、3.の特徴があることを確かめてみます。
二等辺三角形の特徴
$\text{AB}=\text{AC}$である二等辺三角形$\text{ABC}$の頂点$\text{A}$から$\text{BC}$へ垂線を引き、交点を$\text{M}$とします。
$△\text{ABM}$と$△\text{ACM}$に着目して、

$\text{AM}⊥\text{BC}$より、$∠\text{AMB}=∠\text{AMC}=90°$なので、$△\text{ABM}$と$△\text{ACM}$は直角三角形となります。
$△\text{ABC}$は二等辺三角形であるから$\text{AB}=\text{AC}$。これは$△\text{ABM}$と$△\text{ACM}$それぞれの斜辺となります。
垂線$\text{AM}$は共通な辺となるので、$\text{AM}=\text{AM}$

以上より、$△\text{ABM}$と$△\text{ACM}$は斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しいので合同であるとわかります。
したがって、$∠\text{ABM}=∠\text{ACM}$であるから2.の特徴があることがわかります。

また、$\text{BM}=\text{CM, }\ \text{AM}⊥\text{BC}$より垂線$\text{AM}$は$\text{BC}$の垂直二等分線であり、$∠\text{BAM}=∠\text{CAM}$であることから$\text{AM}$は頂角$∠\text{A}$の二等分線でもあることがわかります。
したがって、3.の特徴があることがわかります。


 今度は逆に2.、3.の特徴を持つ三角形が二等辺三角形であることを確かめます。

2.の特徴を持つ三角形

2つの内角が等しい三角形
 $∠\text{ABC}=∠\text{ACB}$である三角形$\text{ABC}$の頂点$\text{A}$から$\text{BC}$へ垂線を引き、交点を$\text{M}$とします。$△\text{ABC}$が二等辺三角形であることを確かめます。
$△\text{ABM}$と$△\text{ACM}$に着目すると、

$∠\text{ABC}=∠\text{ACB}$より$∠\text{ABM}=∠\text{ACM}\ \cdots\text{(i)}$。
$\text{AM}⊥\text{BC}$より、$∠\text{AMB}=∠\text{AMC}=90°\ \cdots\text{(ii)}$。
$\text{(i), (ii)}$より$∠\text{BAM}=∠\text{CAM}\ \cdots\text{(iii)}$
また、$\text{AM}$は共通な辺なので、$\text{AM}=\text{AM}\ \cdots\text{(iv)}$。
$\text{(ii), (iii), (iv)}$より1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、$△\text{ACM}$と$△\text{BCM}$は合同であることがわかります。

このことから$\mathbf{\text{AB}=\text{AC}}$となり、1.の特徴を持つため$△\text{ABC}$は二等辺三角形であることがわかります。

3.の特徴を持つ三角形

線分とその垂直二等分線上の点によってできる三角形

線分と垂直二等分線上の点でつくる三角形
 線分$\text{AB}$の中点$\text{M}$から垂直二等分線を引き、垂直二等分線上に$\text{M}$ではない点$\text{C}$をとり三角形$\text{ABC}$をつくります。これが二等辺三角形であることを確かめます。
$△\text{ACM}$と$△\text{BCM}$に着目すると、

$\text{AB}⊥\text{CM}$より、$∠\text{AMC}=∠\text{BMC}=90°$
点$\text{M}$は$\text{AB}$の中点であるから$\text{AM}=\text{BM}$
$\text{CM}$は共通な辺なので$\text{CM}=\text{CM}$
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので$△\text{ACM}$と$△\text{BCM}$は合同であることがわかります。

このことから$\mathbf{\text{AC}=\text{BC}}$となり、1.の特徴を持つため$△\text{ABC}$は二等辺三角形であることがわかります。

2直線とそのなす角の二等分線の垂線によってできる三角形

2直線と角の二等分線の垂線によってできる三角形
 直線$l, m$の交点を$\text{A}$とし、2直線のなす角の二等分線を引きます。この角の二等分線上の点$\text{A}$以外の点$\text{P}$をとり、点$\text{P}$を通る角の二等分線に垂直な直線を引き、直線$l, m$との交点をそれぞれ$\text{B, C}$とします。このときできる$△\text{ABC}$が二等辺三角形であることを確かめます。
$△\text{ABP}$と$△\text{ACP}$に着目すると

$\text{AP}$は直線$l, m$のなす角の二等分線より$∠\text{BAP}=∠\text{CAP}$
$\text{AP}⊥\text{BC}$より$∠\text{APB}=∠\text{APC}=90°$
$\text{AP}$は共通の辺なので$\text{AP}=\text{AP}$
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので$△\text{ABP}$と$△\text{ACP}$は合同であることがわかります。

このことから$\mathbf{\text{AB}=\text{AC}}$となり、1.の特徴を持つため$△\text{ABC}$は二等辺三角形であることがわかります。

 以上から二等辺三角形は1.~3.の特徴を持ち、逆に1.~3.の特徴を持つ三角形は二等辺三角形であることがわかりました。

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