上のように根号で入れ子になっている数は1つの根号だけを使って表すことができます。
どのように考えれば1つの根号で表すことができるのでしょうか?
平方根や立方根などの根号がついた数は、2乗、3乗すると根号の中の数になる数ということです。
例えば$\sqrt{2}$は2乗して$2$になる数、$\sqrt[3]{5}$は3乗して$5$になる数ということです。
このことを踏まえると、(1)は何乗かして$2$になる数であることがうかがえます。
なので、(1)が$2$になるには何乗する必要があるのかを調べてみます。
一番外側の平方根を外すには2乗する必要があります。
\[\left(\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}\right)^2=\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}\]
次の立方根を外すには3乗する必要があります。
\[\left(\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}\right)^3=\sqrt[4]{2}\]
最後の4乗根を外すには4乗する必要があります。
\[\left(\sqrt[4]{2}\right)^4=2\]
以上の一連の操作をまとめて書くと
\[\left[\left\{\left(\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}\right)^2\right\}^3\right]^4=2\]
のようになります。
ここで、指数の計算法則
\[\left(a^m\right)^n=a^{mn}\]
より、
\begin{align*}\left[\left\{\left(\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}\right)^2\right\}^3\right]^4&=\left\{\left(\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}\right)^2\right\}^{3\times4}\\ \\ &=\left(\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}\right)^{2\times3\times4}\\ \\ &=\left(\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}\right)^{24}\\ \\ &=2\end{align*}
したがって、(1)は24乗して$2$になる数であるから
\[\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}=\sqrt[24]{2}\]
となり、1つの根号で表すことができました。
上で例に挙げた$\sqrt{2}$は2乗して$2$になる数というのは
\[\left(\sqrt{2}\right)^2=2\]
と表せるということです。
$\sqrt{2}=2^x$と書き表せると仮定すると
\[\left(2^x\right)^2=2\]
となり、
\[\sqrt{2}=2^\frac{1}{2}\]
と表せることがわかります。
同様に立方根は
\[\sqrt[3]{5}=5^\frac{1}{3}\]
のように、n乗根は
\[\sqrt[n]{a}=a^\frac{1}{n}\]
のように表せます。
また、指数の計算法則$\left(a^m\right)^n=a^{mn}$より
\begin{align*}\left\{\left(2^\frac{1}{4}\right)^\frac{1}{3}\right\}^\frac{1}{2}&=\left(2^\frac{1}{4}\right)^{\frac{1}{3}\times\frac{1}{2}}\\ \\ &=2^{\frac{1}{4}\times\frac{1}{3}\times\frac{1}{2}}\\ \\ &=2^\frac{1}{24}\end{align*}
となるから、$2^\frac{1}{24}$を根号を使った表記に直せば
\[\sqrt{\sqrt[3]{\sqrt[4]{2}}}=2^\frac{1}{24}=\sqrt[24]{2}\]
となります。
関連:指数の計算法則