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2022年12月15日

分数式を部分分数分解する(2)

「次の分数式を部分分数分解せよ。ただし、分解後の分数式の分子の次数は00になるようにすること。

(1)4x92x2x154x92x2x15

(2)4x(x+3)2(3x+9)4x(x+3)2(3x+9)

(3)x34x23x+2x2+4x5x34x23x+2x2+4x5

このような問題はどのように解けばよいのでしょうか?


(1)4x92x2x154x92x2x15

 一見部分分数分解できないように見えますが、分母が
2x2x15=(2x+5)(x3)2x2x15=(2x+5)(x3)
と因数分解できるので分解できます。
このことから、部分分数分解したものは
4x92x2x15=4x9(2x+5)(x3)=A2x+5+Bx34x92x2x15=4x9(2x+5)(x3)=A2x+5+Bx3(I)
とおけます。
両辺に(2x+5)(x3)(2x+5)(x3)を掛けて分母を払うと
4x9=A(x3)+B(2x+5)4x9=A(x3)+B(2x+5)
となり、これは恒等式となります。
A,BA,Bを係数比較法で求めます。
右辺を展開して整理すると
4x9=Ax3A+2Bx+5B=(A+2B)x+(3A+5B)4x9=Ax3A+2Bx+5B=(A+2B)x+(3A+5B)
両辺の係数を比較すると
{A+2B=4(i)3A+5B=9(ii)A+2B=4(i)3A+5B=9(ii)
これを解くと、(i)(i)よりA=42B(iii)A=42B(iii)
これを(ii)(ii)に代入して
3(42B)+5B=912+11B=9B=3113(42B)+5B=912+11B=9B=311
(iii)(iii)より
A=42×311=3811A=42×311=3811
したがって、(I)(I)
4x92x2x15=38112x+5+311x3=3811(2x+5)+311(x3){=111(382x+5+3x3)}4x92x2x15=38112x+5+311x3=3811(2x+5)+311(x3){=111(382x+5+3x3)}
となります。

(2)4(x+3)2(3x+9)4(x+3)2(3x+9)

 部分分数分解をすると、一見
4x(x+3)2(3x+9)=Ax+B(x+3)2+C3x+94x(x+3)2(3x+9)=Ax+B(x+3)2+C3x+9
とおけそうですが、分母をよく見ると3x+9=3(x+3)3x+9=3(x+3)なので
4x(x+3)2(3x+9)=4x3(x+3)34x(x+3)2(3x+9)=4x3(x+3)3
と変形できます。
分母の因数が互いに素ではない場合なので、分解したものは
4x(x+3)2(3x+9)=Ax+3+B(x+3)2+C(x+3)34x(x+3)2(3x+9)=Ax+3+B(x+3)2+C(x+3)3(II)
とおけます。
両辺に(x+3)2(3x+9)=3(x+3)3(x+3)2(3x+9)=3(x+3)3を掛けて分母を払うと
4x=3A(x+3)2+3B(x+3)+3C=3Ax2+18Ax+27A+3Bx+9B+3C=3Ax2+3(6A+B)x+3(9A+3B+C)4x=3A(x+3)2+3B(x+3)+3C=3Ax2+18Ax+27A+3Bx+9B+3C=3Ax2+3(6A+B)x+3(9A+3B+C)
両辺の係数を比較すると
{3A=0(iv)3(6A+B)=4(v)3(9A+3B+C)=0(vi)⎪ ⎪ ⎪ ⎪ ⎪⎪ ⎪ ⎪ ⎪ ⎪3A=0(iv)3(6A+B)=4(v)3(9A+3B+C)=0(vi)
これを解くと(iv)(iv)よりA=0A=0、これを(v)(v)に代入してB=43B=43となるから
(vi)(vi)より
9A+3B+C=090+3(43)+C=0C=49A+3B+C=090+3(43)+C=0C=4
したがって、(II)(II)
4x(x+3)2(3x+9)=0x+3+43(x+3)2+4(x+3)3=43(x+3)2+4(x+3)34x(x+3)2(3x+9)=0x+3+43(x+3)2+4(x+3)3=43(x+3)2+4(x+3)3
となります。

(3)x34x23x+2x2+4x5x34x23x+2x2+4x5

 分母と分子それぞれの次数を比較すると、分子のほうが最高次数が大きくなっています。
x34x23x+2x2+4x5=(x34x23x+2)÷(x2+4x5)x34x23x+2x2+4x5=(x34x23x+2)÷(x2+4x5)
と書けるので、まずは整式の割り算をして分子の最高次数を下げます。
(x^3-4x^2-3x+2)÷(x^2+4x-5)
割り算の結果より
x34x23x+2=(x8)(x2+4x5)+34x38x34x23x+2=(x8)(x2+4x5)+34x38
と書けるので、両辺をx2+4x5x2+4x5で割ることで
x34x23x+2x2+4x5=x8+34x38x2+4x5x34x23x+2x2+4x5=x8+34x38x2+4x5
のように分子の最高次数を下げた形に変形することができます。
また、x2+4x5=(x+5)(x1)と因数分解できることから、34x38x2+4x5を部分分数分解したものは
34x38x2+4x5=Ax+5+Bx1
とおけます。
両辺にx2+4x5=(x+5)(x1)を掛けて分母を払うと
34x38=A(x1)+B(x+5)=AxA+Bx+5B=(A+B)x+(A+5B)
両辺の係数を比較すると
{A+B=34(vii)A+5B=38(viii)
これを解くと(vii)よりA=34B(ix)
これを(viii)に代入して
34B+5B=384B=72B=18
(ix)よりA=52
したがって、(III)
34x38x2+4x5=52x+5+18x1=52x+518x1
となるので、問の分数式を部分分数分解したものは
x34x23x+2x2+4x5=x8+52x+518x1
となります。

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