円錐の底面の半径と母線の長さの比というのは底面の半径を、母線の長さをとしたときの、または比の値でと表されるものを指します。
これ円錐のどのようなところに現れるのかを調べます。
円錐の底面の円周とおうぎ形の弧
円錐の底面の円周と側面のおうぎ形の弧について考えます。
底面の円の半径をとすると、円周の長さはとなります。そして、これは側面のおうぎ形の弧の長さでもあります。
側面のおうぎ形の弧の長さを母線の長さを使って表してみます。
側面のおうぎ形と同じ半径をもつ円の円周の長さを求めるととなります。
上図を見ると側面のおうぎ形は半径の円の一部であることがわかります。これは、おうぎ形の弧もこの円の円周の一部であるということです。この関係を利用すると
となります。
分数は側面のおうぎ形の弧の長さに対する底面の円周の長さの割合です。これは約分してより簡単な形にできるので、2行目で約分しています。ここで円錐の底面の半径と母線の長さの比が登場します。
分数は側面のおうぎ形の弧の長さに対する底面の円周の長さの割合です。これは約分してより簡単な形にできるので、2行目で約分しています。ここで円錐の底面の半径と母線の長さの比が登場します。
また、おうぎ形の弧の長さと中心角は比例の関係にあり、中心角がのとき、おうぎ形の弧の長さは円周になることを考えると、側面のおうぎ形の中心角をとしたとき、円周の長さと円の中心角に対するおうぎ形の中心角の割合を使って、おうぎ形の弧の長さは
と表されます。
とは割合の部分だけ違いますが、どちらも半径の円の円周に割合を掛けて側面のおうぎ形の弧の長さになることが共通しているので
が成り立ちます。
このことから円錐の底面の半径と母線の長さの比はに対する側面のおうぎ形の中心角の割合と等しいことがわかります。
これを利用すれば、側面のおうぎ形の中心角は
で求められることがわかります。
円錐の底面積と側面積
円錐の底面積と側面積について考えます。
半径である底面の面積はとなります。
側面のおうぎ形と同じ半径をもつ円の面積はとなります。
おうぎ形の中心角と面積は比例の関係にあり、中心角がのとき、おうぎ形の面積は円の面積になることを考えると、半径の円の面積とに対するおうぎ形の中心角の割合を使って、側面のおうぎ形の面積は
おうぎ形の中心角と面積は比例の関係にあり、中心角がのとき、おうぎ形の面積は円の面積になることを考えると、半径の円の面積とに対するおうぎ形の中心角の割合を使って、側面のおうぎ形の面積は
で求められます。
上でであることがわかったので、これを使って置き換えると、側面のおうぎ形の面積は
で求められることがわかります。
したがって、円錐の底面積と側面積の比は
となり、これもまた円錐の底面の半径と母線の長さの比に等しいことがわかります。
以上より、円錐の底面の半径と母線の長さの比は円錐において
という関係も表していることがわかります。
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