符号を考慮した長さとは、測る際の基準の点と方向がある長さのことです。基準となる方向と同じ方向に測ったときは正の値をとり、逆の方向に測ったときは負の値をとります。
数直線上の2数$a, b$それぞれに位置する点を$\text{A, B}$としたとき、これら2点間の距離は$|b-a|$となります。これは$\text{A, B}$間の符号を考慮した長さの絶対値でもあります。
点$\text{A}$を基準点とし、数直線方向を正としたときの点$\text{B}$までの符号を考慮した長さを$\overset{\rightharpoonup}{\text{AB}}$と表すとすると、
$a<b$のとき、点$\text{A}$から点$\text{B}$まで数直線方向と同じ方向に測ることになるので正の値をとり、その値は
\begin{align*}\overset{\rightharpoonup}{\text{AB}}&=|b-a|\\[0.5em]&=b-a&(\because
a<b\ \Leftrightarrow\ b-a>0)\end{align*}
と表されます。
したがって、$a, b$の大小関係にかかわらず点$\text{A}(a)$から点$\text{B}(b)$までの符号を考慮した長さ$\overset{\rightharpoonup}{\text{AB}}$は
\[\overset{\rightharpoonup}{\text{AB}}=b-a\]
で表されることがわかります。
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