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2022年5月30日

指数の計算法則

\[\Large a^b\]
 このような数の$a$のことを底、そして$b$のことを指数と呼びます。
指数のついた数の基本的な考え方は「$a$を$b$個掛け合わせる」です。
この考え方がもとになって指数の計算法則が成り立っています。

指数の和・差

指数の和
 指数同士が足されるのは、底が同じ数同士を掛けたときです。
$a^m×a^n$の場合は$a$を$m$個掛け合わせたものと$a$を$n$個掛け合わせたものの積なので最終的に$a$を$m+n$個掛け合わせているのと等しくなります。
したがって、$a^m×a^n$は指数同士を足して$a^{m+n}$となることがわかります。

指数の差(m>nのとき)
 指数同士を引くのは底が同じ数同士を割ったときです。ただし$a\neq0$です。
$a^m÷a^n$は$m>n$のときを考えると$a$を$m$個掛け合わせたものを$a$を$n$個掛け合わせたもので割っているので最終的に$a$を$m-n$個掛け合わせているのと等しくなります。
したがって、$a^m÷a^n$は指数同士を引いて$a^{m-n}$となることがわかります。
ここで$a^m÷a^n$は
\[a^m÷a^n=a^m\times\frac{1}{a^n}\]
と書くことができ、また$a^{m-n}$は
\[a^{m-n}=a^{m+(-n)}\]
さらに指数の和より
\[a^{m+(-n)}=a^m\times a^{-n}\]
となることから
\[a^m\times\frac{1}{a^n}=a^m\times a^{-n}\]
すなわち
\[\Large\frac{1}{a^n}=a^{-n}\]
が成り立ちます。
また、このことと指数の和から$0$乗は
\begin{align*}\large a^n×a^{-n}&=a^{n-n}\\[0.5em]&=\underline{a^0=1}\end{align*}
となります。

指数の積・商

指数の積
 指数同士を掛けるのは指数のついた数全体をべき乗したときです。
$(a^m)^n$の場合は$a^m$を$n$個掛け合わせます。$a^m$は$a$を$m$個掛け合わせたものなので最終的に$a$を$m×n$個掛け合わせているのと等しくなります。
したがって、$(a^m)^n$は指数同士を掛けて$a^{mn}$となることがわかります。
\[\large(a^m)^n=a^{mn}=(a^n)^m\]
また、$(a^n)^m$も同様にして$a^{mn}$となることから$a$の指数と括弧の指数を入れ替えることができることがわかります。
\[\large(ab^p c^q)^n=a^n b^{pn} c^{qn}\]
括弧の中身が複数の因数を含む場合は因数それぞれをべき乗します。

 $a^\frac{1}{n}$は$a$の$n$乗根を表し、
\[\Large a^\frac{1}{n}=\sqrt[n]{a}\]
となります。
例えば$a$の正の平方根は
\[\Large\sqrt{a}=a^\frac{1}{2}\]
となります。
なので、指数の積の
\begin{align*}\left(a^\frac{1}{n}\right)^n&=a^{\frac{1}{n}\times n}\\[0.5em]&=a^1\\[0.5em]&=a\end{align*}
\[(\sqrt[n]{a})^n=a\]
に相当します。

累乗根と有理数の指数
また、$a^n$の$m$乗根は$a^\frac{n}{m}$と表せます。

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