「直線$l:2x-y=10$を接線とし点$(1,2)$を中心とする円の方程式を求めよ。」
     このような問題は…
    
      
    のように求めるのですが、これを接線の方程式の公式を利用して解いてみます。
  
  
        中心の座標がわかっているので半径を$r$とおくと
        
    \[(x-1)^2+(y-2)^2=r^2\]
        となり、点と直線の距離の公式(点$(p,q)$と直線$ax+by+c=0$の距離)
        \[\frac{|ap+bq+c|}{\sqrt{a^2+b^2}}\]
        
        より中心と接線の距離、すなわち半径は
        
          \[r=\frac{|2\cdot1-1\cdot2-10|}{\sqrt{2^2+(-1)^2}}=2\sqrt{5}\]
        
        なので
        \[(x-1)^2+(y-2)^2=20\]
      
    ・接点$(p,q)$を通る円$(x-a)^2+(y-b)^2=r^2$の接線の方程式の公式
    
  \[(p-a)(x-a)+(q-b)(y-b)=r^2\]
    
     円の中心の座標がわかっているので半径を$r$とおくと
    \[(x-1)^2+(y-2)^2=r^2\]
    直線$l$上の点$(p,q)$を接点とするとき、円の接線の方程式は
    
      \begin{align*}(p-1)(x-1)+(q-2)(y-2)&=r^2\\[0.5em](p-1)x+(q-2)y&=r^2+(p-1)+2(q-2)\\[0.5em](p-1)x+(q-2)y&=r^2+p+2q-5\tag{a}\end{align*}
    
    $\text{(a)}$が直線$l$と一致すれば良いので係数を比較するのですが、ここで直線$l$の両辺を実数$k$倍して
    \[2kx-ky=10k\tag{b}\]
    $\text{(a)}$と$\text{(b)}$の係数を比較すると
    \begin{cases}p-1=2k&\cdots\text{(c)}\\[0.5em]q-2=-k&\cdots\text{(d)}\\[0.5em]r^2+p+2q-5=10k&\cdots\text{(e)}\end{cases}
    となります。
  
    $\text{(c)}$より$p=2k+1$、$\text{(d)}$より$q=-k+2$
$(p,q)$は直線$l$上の点なので直線$l$に代入すると
  $(p,q)$は直線$l$上の点なので直線$l$に代入すると
      \begin{align*}2(2k+1)-(-k+2)&=10\\[0.5em]5k&=10\\[0.5em]k&=2\end{align*}
    
    これにより
    \[p=5,q=0\]
    となるから、$\text{(e)}$に代入して
    
      \begin{align*}r^2+5+2\cdot0-5&=10\cdot2\\[0.5em]r^2&=20\end{align*}
    
  
    したがって、
    
  \[(x-1)^2+(y-2)^2=20\]
    となります。
  
     この解き方の注意点は接線となる直線の方程式と公式から求めた接線の方程式はそのままの状態で一致するわけではないということです。
    
直線の方程式の両辺に実数$k$を掛けても同じ直線を表すので、接線の方程式はこうした変形が加えられている可能性を考慮しなければなりません。
  直線の方程式の両辺に実数$k$を掛けても同じ直線を表すので、接線の方程式はこうした変形が加えられている可能性を考慮しなければなりません。
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