「2次関数f(x)と1次関数g(x)について
ただし、f(x),g(x)の係数・定数項はすべて整数である。」
\large f(x)g(x)=f(x)+2g(x)+x^3+5x^2+5x-4
が常に成り立つとき、f(x),g(x)を求めよ。ただし、f(x),g(x)の係数・定数項はすべて整数である。」
このような問題はどのように求めればよいでしょうか?
2通りの解き方で解いてみます。
1. 係数比較法の利用
これは恒等式なので、
\begin{align*}f(x)=ax^2+bx+c,\ &g(x)=dx+e\\ &(a\neq0,d\neq0,\
a,b,c,d,e:整数)\end{align*}
とおき、展開して両辺の係数を比較して解きます。
\begin{align*}(左辺)&=f(x)g(x)\\[0.5em]&=(ax^2+bx+c)(dx+e)\\[0.5em]&=adx^3+(ae+bd)x^2+(be+cd)x+ce\\[1.5em](右辺)&=f(x)+2g(x)+x^3+5x^2+5x-4\\[0.5em]&=(ax^2+bx+c)+2(dx+e)+x^3+5x^2+5x-4\\[0.5em]&=x^3+(a+5)x^2+(b+2d+5)x+c+2e-4\end{align*}
両辺の係数を比較して
\left\{\begin{aligned}ad&=1&\cdots\text{(i)}\\[0.5em]ae+bd&=a+5&\cdots\text{(ii)}\\[0.5em]be+cd&=b+2d+5&\cdots\text{(iii)}\\[0.5em]ce&=c+2e-4&\cdots\text{(iv)}\end{aligned}\right.
\text{(i)}より
a=\frac{1}{d}
a,dは整数であるから上の式を満たすのはa=d=\pm1です。
a=d=1のとき
\text{(ii)}より
\begin{align*}e+b&=6\\[0.5em]e&=6-b\tag{v}\end{align*}
\text{(iii)}より\text{(v)}を代入して
\begin{align*}be+c&=b+7\\[0.5em]b(6-b)+c&=b+7\\[0.5em]c&=b^2-5b+7\tag{vi}\end{align*}
\text{(iv)}より\text{(v),(vi)}を代入して
\begin{align*}(b^2-5b+7)(6-b)&=(b^2-5b+7)+2(6-b)-4\\[0.5em]-b^3+11b^2-37b+42&=b^2-7b+15\\[0.5em]b^3-10b^2+30b-27&=0\end{align*}
因数分解すると
(b-3)(b^2-7b+9)=0
b^2-7b+9=0のときbの値は
b=\frac{7\pm\sqrt{13}}{2}
となり、bは整数であるという条件に適さないので適当な解はb=3です。
したがって、\text{(v)}よりe=3、\text{(vi)}よりc=1なので、
\begin{gather*}a=1,b=3,c=1,\\[0.5em]d=1,e=3\end{gather*}
となるから、求めるf(x),g(x)は
f(x)=x^2+3x+1,\ g(x)=x+3
であることがわかります。
a=d=-1のとき
\text{(ii)}より
\begin{align*}-e-b&=4\\[0.5em]e&=-b-4\tag*{(v)'}\end{align*}
\text{(iii)}より\text{(v)'}を代入して
\begin{align*}be-c&=b+3\\[0.5em]b(-b-4)-c&=b+3\\[0.5em]c&=-b^2-5b-3\tag*{(vi)'}\end{align*}
\text{(iv)}より\text{(v)',(vi)'}を代入して
\begin{align*}(-b^2-5b-3)(-b-4)&=(-b^2-5b-3)+2(-b-4)-4\\[0.5em]b^3+10b^2+30b+27&=0\end{align*}
因数分解すると
(b+3)(b^2+7b+9)=0
b^2+7b+9=0のときbの値は
b=\frac{-7\pm\sqrt{13}}{2}
となり、bは整数であるという条件に適さないので適当な解はb=-3です。
したがって、\text{(v)'}よりe=-1、\text{(vi)'}よりc=1なので
\begin{gather*}a=-1,b=-3,c=3,\\[0.5em]d=-1,e=-1\end{gather*}
となるから、求めるf(x),g(x)は
f(x)=-x^2-3x+3,\ g(x)=-x-1
であることがわかります。
以上より求めるf(x),g(x)の組は
\begin{cases}f(x)=x^2+3x+1\\[0.5em]g(x)=x+3\end{cases},\begin{cases}f(x)=-x^2-3x+3\\[0.5em]g(x)=-x-1\end{cases}
となります。
2. 因数分解の利用
f(x),g(x)を含む項をすべて左辺に移項すると
\begin{align*}f(x)g(x)-f(x)-2g(x)&=x^3+5x^2+5x-4\\[0.5em]f(x)\bigl\{g(x)-1\bigr\}-2g(x)&=x^3+5x^2+5x-4\end{align*}
左辺でg(x)-1を共通因数とする項をつくるには2を加えれば良いので両辺に2を足して
\begin{align*}f(x)\bigl\{g(x)-1\bigr\}-2g(x)+2&=x^3+5x^2+5x-2\\[0.5em]f(x)\bigl\{g(x)-1\bigr\}-2\bigl\{g(x)-1\bigr\}&=x^3+5x^2+5x-2\\[0.5em]\bigl\{f(x)-2\bigr\}\bigl\{g(x)-1\bigr\}&=x^3+5x^2+5x-2\end{align*}
右辺を因数分解すると
\bigl\{f(x)-2\bigr\}\bigl\{g(x)-1\bigr\}=(x+2)(x^2+3x-1)
ここで、右辺に0でない実数kとその逆数が掛けられていると考えると
\begin{align*}\bigl\{f(x)-2\bigr\}\bigl\{g(x)-1\bigr\}&=k\cdot\frac{1}{k}\cdot(x+2)(x^2+3x-1)\\[0.5em]&=k(x+2)\cdot\frac{1}{k}(x^2+3x-1)\end{align*}
となり、f(x)が2次関数、g(x)が1次関数であるから
f(x)=\frac{1}{k}(x^2+3x-1)\ ,g(x)=k(x+2)
となります。
しかし、f(x),g(x)の係数と定数項がすべて整数であるということはf(x)-2,g(x)-1の係数、定数項もすべて整数で、x+2の係数と定数項、x^2+3x-1の係数と定数項が互いに素であるから適当な実数kはk=\pm1です。
したがって、
k=1のとき
\begin{align*}f(x)-2&=x^2+3x-1\\[0.5em]f(x)&=x^2+3x+1\\[1em]g(x)-1&=x+2\\[0.5em]g(x)&=x+3\end{align*}
k=-1のとき
\begin{align*}f(x)-2&=-(x^2+3x-1)\\[0.5em]f(x)&=-x^2-3x+3\\[1em]g(x)-1&=-(x+2)\\[0.5em]g(x)&=-x-1\end{align*}
以上より求めるf(x),g(x)の組は
\begin{cases}f(x)=x^2+3x+1\\[0.5em]g(x)=x+3\end{cases},\begin{cases}f(x)=-x^2-3x+3\\[0.5em]g(x)=-x-1\end{cases}
となります。
2.の解き方で注意する点があります。
\bigl\{f(x)-2\bigr\}\bigl\{g(x)-1\bigr\}=x^2(x+2)
の様になった場合、実数k=1のときf(x)-2=x^2,g(x)-1=x+2を解とするのは正しいのですが、左辺の因数について考えると
x^2(x+2)=x\cdot x\cdot(x+2)
なので因数の組み合わせ方を変えればf(x)-2=x(x+2),g(x)-1=xも解となります。
このように因数の組み合わせ方で他に候補がないかしっかりチェックする必要があります。
Share: