「Aさんがボールを投げ上げたところ2[m]2[m]先にある高さ3[m]3[m]の塀の上にある瓶に当たった。
ボールがAさんから瓶までの地点間を5:35:3に内分する位置で最高点に到達したとき、最高点におけるボールの高さを求めよ。
ボールがAさんの手を離れた直後のボールの位置はAさんの頭上で高さは2[m]2[m]とし、瓶に当たるとはAさんから2[m]2[m]先、高さ3[m]3[m]の位置をボールの中心が通過する軌道を描いたものとする。
また、空気抵抗は無視する。」
投げ上げた物体が描く軌道は放物線となります。したがって、2次関数をもちいてボールの軌道を表すことができます。
解法その1
x軸を地面とし、Aさんの立っている地点を原点とします。
座標軸の単位の長さを1[m]1[m]とすると、投げ上げた瞬間のボールの位置は座標で(0,2)(0,2)、瓶のある位置は(2,3)(2,3)となります。投げ上げたボールの描く放物線はこの2点を通ります。 また、投げ上げたボールの最高点は放物線の頂点であり、そのx座標は放物線の軸上にあります。Aさんから瓶までの地点間の距離は2[m]2[m]で最高点のある地点はこれを5:35:3に内分するのでx座標は
2⋅55+3=542⋅55+3=54
となり、放物線の軸はx=54x=54であるとわかります。
すると、放物線の方程式となる2次関数はy=a(x−54)2+qy=a(x−54)2+qとおくことができます。
座標軸の単位の長さを1[m]1[m]とすると、投げ上げた瞬間のボールの位置は座標で(0,2)(0,2)、瓶のある位置は(2,3)(2,3)となります。投げ上げたボールの描く放物線はこの2点を通ります。 また、投げ上げたボールの最高点は放物線の頂点であり、そのx座標は放物線の軸上にあります。Aさんから瓶までの地点間の距離は2[m]2[m]で最高点のある地点はこれを5:35:3に内分するのでx座標は
2⋅55+3=542⋅55+3=54
となり、放物線の軸はx=54x=54であるとわかります。
すると、放物線の方程式となる2次関数はy=a(x−54)2+qy=a(x−54)2+qとおくことができます。
これに(0,2)(0,2)を代入すると
これを(i.1)(i.1)に代入すると
2=a(0−54)2+q=2516a+q2516a+q=22=a(0−54)2+q=2516a+q2516a+q=2(i.1)
(2,3)(2,3)を代入すると
3=a(2−54)2+q=a(34)2+q=916a+q916a+q=33=a(2−54)2+q=a(34)2+q=916a+q916a+q=3(i.2)
(i.1)(i.1)と(i.2)(i.2)を連立し、(i.1)−(i.2)(i.1)−(i.2)するとa=−1a=−1。これを(i.1)(i.1)に代入すると
−2516+q=2q=5716−2516+q=2q=5716
となります。
よって、求める2次関数はy=−(x−54)2+5716y=−(x−54)2+5716で最大値は57165716なので、最高点におけるボールの高さは5716=3.5625[m]5716=3.5625[m]となります。
解法その2
ボールの軌道を座標平面に落とし込んで考える部分までは解法その1と同じです。
放物線はその軸に関して線対称なので、投げ上げた地点から最高点までの距離と等距離の地点でボールの高さは投げ上げた直後の高さと等しくなります。
放物線はその軸に関して線対称なので、投げ上げた地点から最高点までの距離と等距離の地点でボールの高さは投げ上げた直後の高さと等しくなります。
この地点は上図のように考えれば、Aさんから瓶までの地点間を5:15:1に外分することがわかります。
したがって、ボールの高さが投げ上げた直後の高さと等しくなる地点のx座標は
したがって、ボールの高さが投げ上げた直後の高さと等しくなる地点のx座標は
2⋅55−1=522⋅55−1=52
となります。そして、このときのボールの座標は(52,2)(52,2)となります。
放物線の方程式をy=ax2+bx+c (a,b,c:実数)y=ax2+bx+c (a,b,c:実数)とおきます。
(0,2),(2,3),(52,2)を通るので、それぞれ代入すると
(0,2),(2,3),(52,2)を通るので、それぞれ代入すると
(0,2)2=cc=2(2,3)3=a⋅22+b⋅2+c=4a+2b+c4a+2b+c=3(52,2)2=a⋅(52)2+b⋅52+c=254a+52b+c∴25a+10b+4c=8
となるので、(ii.1), (ii.2), (ii.3)を連立してa,b,cを求めます。
(ii.1)を(ii.2), (ii.3)それぞれに代入して整理すると
{4a+2b=1⋯(2.4)25a+10b=0⋯(2.5)
(ii.4)×5−(ii.5)より
−5a=5a=−1
これを(ii.4)に代入すると
4⋅(−1)+2b=12b=5b=52
したがって、求める放物線の方程式はy=−x2+52x+2であるとわかるので、これを平方完成します。
y=−x2+52x+2=−(x2−52x)+2=−(x−54)2+2516+2∴y=−(x−54)2+5716
この2次関数における最大値は5716なので、最高点におけるボールの高さは5716=3.5625[m]となります。
解法その3
放物線が(0,2),(2,3),(52,2)を通るという部分までは解法その2と同じです。
2点が同じy座標2なので、これが0になるように3点すべてをy軸方向に−2だけ平行移動します。
すると平行移動後の3点の座標は(0,0),(2,1),(52,0)となります。
これら3点を通る放物線はx軸との共有点のx座標がx=0,52となるので方程式をy=ax(x−52)とおくことができます。
すると平行移動後の3点の座標は(0,0),(2,1),(52,0)となります。
これら3点を通る放物線はx軸との共有点のx座標がx=0,52となるので方程式をy=ax(x−52)とおくことができます。
これは(2,1)を通るので、代入すると
1=a⋅2⋅(2−52)=−aa=−1
したがって、平行移動後の放物線の方程式はy=−x(x−52)であることがわかります。
平行移動前の求める放物線の方程式はy軸方向に2だけ平行移動したy=−x(x−52)+2となります。
これを展開、平方完成すると
これを展開、平方完成すると
y=−x(x−52)+2=−x2+52x+2∴y=−(x−54)2+5716
この2次関数における最大値は5716なので、最高点におけるボールの高さは5716=3.5625[m]となります。
放物線の方程式を求める際においた2次関数の形はそれぞれ、解法その1は標準形、解法その2は一般形、解法その3は因数分解形となっています。
どのように解くかで適する2次関数の形が変わります。
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