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2023年4月30日

2数、3数の場合の相加平均と相乗平均の大小関係

 2数の相加平均と相乗平均の大小関係は
a+b2ab(a0,b0)a+b2ab(a0,b0)
等号成立はa=ba=b
3数の相加平均と相乗平均の大小関係は
a+b+c33abc(a0,b0,c0)a+b+c33abc(a0,b0,c0)
等号成立はa=b=ca=b=c
となります。
これらはなぜ成り立つのでしょうか?

2数の相加平均と相乗平均の大小関係

 両辺を2倍して移項した
a+b2ab0(a0,b0)a+b2ab0(a0,b0)(1)
が成り立つことを確かめます。
左辺に着目し、a=s,b=ta=s,b=tとおくと
()=(a)2+(b)22ab=s2+t22st=(st)2()=(a)2+(b)22ab=s2+t22st=(st)2
となります。
a0,b0a0,b0よりs,ts,tは実数、ststも実数となります。実数の2乗は00以上の値となるので(st)20(st)20、すなわち
(ab)2=a+b2ab0(ab)2=a+b2ab0
となって(1)(1)が成り立ちます。

 等号が成立する、すなわち(ab)2=0(ab)2=0となる条件はa=ba=b、すなわちa=ba=bのときとなります。


3数の相加平均と相乗平均の大小関係

 両辺を3倍して移項した
a+b+c33abc0(a0,b0,c0)a+b+c33abc0(a0,b0,c0)(2)
が成り立つことを確かめます。
左辺に着目し、3a=s,3b=t,3c=u3a=s,3b=t,3c=uとおくと
()=(3a)+(3b)+(3c)33a3b3c=s3+t3+u33stu=(s+t+u)(s2+t2+u2sttuus)()=(3a)+(3b)+(3c)33a3b3c=s3+t3+u33stu=(s+t+u)(s2+t2+u2sttuus)
となります。
それぞれの因数に着目します。
a0,b0,c0a0,b0,c0よりs0,t0,u0s0,t0,u0なのでs+t+u0 (i)s+t+u0 (i)です。
また、
s2+t2+u2sttuus=12(2s2+2t2+2u22st2tu2us)=12{(s22st+t2)+(t22tu+u2)+(u22us+s2)}=12{(st)2+(tu)2+(us)2}s2+t2+u2sttuus=12(2s2+2t2+2u22st2tu2us)=12{(s22st+t2)+(t22tu+u2)+(u22us+s2)}=12{(st)2+(tu)2+(us)2}
となり、(st)20,(tu)20,(us)20(st)20,(tu)20,(us)20なので、12{(st)2+(tu)2+(us)2}0 (ii)12{(st)2+(tu)2+(us)2}0 (ii)です。
(i),(ii)(i),(ii)より
(s+t+u)(s2+t2+u2sttuus)=a+b+c33abc0(s+t+u)(s2+t2+u2sttuus)=a+b+c33abc0
となって(2)(2)が成り立ちます。
 等号が成立しa+b+c33abc=0a+b+c33abc=0となるのは(i),(ii)(i),(ii)それぞれの等号が成立するときとなります。

(i)s+t+u=0s+t+u=0

 s0,t0,u0s0,t0,u0より等式を満たす条件はs=t=u=0s=t=u=0、すなわちa=b=c=0 (iii)a=b=c=0 (iii)となります。

(ii)12{(st)2+(tu)2+(us)2}=012{(st)2+(tu)2+(us)2}=0

12{(st)2+(tu)2+(us)2}=0(st)2+(tu)2+(us)2=012{(st)2+(tu)2+(us)2}=0(st)2+(tu)2+(us)2=0
(st)20,(tu)20,(us)20(st)20,(tu)20,(us)20より等式を満たす条件は
(st)2=0 かつ (tu)2=0 かつ (us)2=0s=t かつ t=u かつ u=ss=t=u(st)2=0  (tu)2=0  (us)2=0s=t  t=u  u=ss=t=u
すなわちa=b=c (iv)です。

(iii),(iv)より(2)の等号成立条件はa=b=cとなります。


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