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2023年5月2日

x^xの微分

 $x^x$は底と指数ともに変数であるため、べき関数$x^a\ (a:定数)$でも指数関数$a^x\ (a:定数)$でもなく、これらの合成関数でもありません。

これを微分するためには以下のような方法で行います。

ただし、定義域を$x>0$として考えます。

合成関数の形に変形する方法

 対数をもちいて$x=e^{\log_e{x}}$(以下$\log_e{x}=\ln{x}$とする)と表せるので、底のほうの$x$を変形して
\begin{align*}x^x&=\left(e^{\ln{x}}\right)^x\\[0.5em]&=e^{x\ln{x}}\end{align*}
とします。これは指数関数$f(x)=e^x$と関数の積$g(x)=x\ln{x}$の合成関数$f\left(g(x)\right)$なので、合成関数の微分と積の微分を利用することができます。
両辺を$x$で微分すると
\begin{align*}\left(x^x\right)'&=\left(e^{x\ln{x}}\right)'\\[0.5em]&=e^{x\ln{x}}\left(x\ln{x}\right)'\\[0.5em]&=e^{x\ln{x}}\left\{(x)'\ln{x}+x\left(\ln{x}\right)'\right\}\\[0.5em]&=e^{x\ln{x}}\left(\ln{x}+x\cdot\frac{1}{x}\right)\\[0.5em]&=e^{x\ln{x}}\left(\ln{x}+1\right)\\[0.5em]&=x^x\left(\ln{x}+1\right)\end{align*}
となります。

 合成関数の微分の公式は
\[\left\{f\left(g(x)\right)\right\}'=f'\left(g(x)\right)g'(x)\]
積の微分の公式は
\[\left\{f(x)g(x)\right\}'=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)\]
です。これらは次でももちいます。

対数微分法をもちいる方法

 $f(x)=x^x$とおき、両辺の対数をとると
\begin{align*}\ln{f(x)}&=\ln{x^x}\\[0.5em]&=x\ln{x}\end{align*}
となります。($x>0$より$f(x)>0$なので$f(x)$のままで真数条件を満たします。)
両辺を$x$で微分すると、左辺は合成関数の微分、右辺は積の微分をもちいて
\begin{align*}\frac{1}{f(x)}\cdot f'(x)&=(x)'\ln{x}+x\left(\ln{x}\right)'\\[0.5em]\frac{f'(x)}{f(x)}&=\ln{x}+x\cdot\frac{1}{x}\\[0.5em]&=\ln{x}+1\\[1.5em]f'(x)&=f(x)\left(\ln{x}+1\right)\\[0.5em]&=x^x\left(\ln{x}+1\right)\end{align*}
となります。

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