横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2022年2月24日

Geometric mean theorem(幾何平均定理)

 幾何平均定理(Geometric mean theorem)がなぜ成立するのかを確かめてみました。


幾何平均定理
 幾何平均定理とは、A=90°となる直角三角形ABCの頂点AからBCに垂線を下ろしその交点をDとします。垂線ADの長さをhBD, DCの長さをそれぞれm,nとすると、これらの関係は
h=mn
となるという定理です。
これが成立することを確かめてみます。

 ABDCADに着目します。
(a)ADB=CDA=90°
で、三角形の内角の和は180°であるから
(b)ABD+BAD=90°(c)CAD+ACD=90°
また、ABCにおいてBAC=90°であるから
ABC+ACB=90°
ABCABDACBACDは共通の角であるから
(d)ABD+ACD=90°
(b), (d)より
(e)BAD=ACD
(c), (d)より
(f)ABD=CAD
(a), (e), (f)より3組の角が等しいのでABDCADは相似です。
相似な図形の対応する2辺の比は等しいので
AD:BD=CD:ADh:m=n:hh2=mnh=mn(h>0)
となり、幾何平均定理が成り立つことがわかります。

 幾何平均は相乗平均とも言います。相乗平均といえば「相加平均と相乗平均の大小関係」があります。これに対しこの幾何平均定理を利用して図形をもちいた説明を与えることができます。

幾何平均定理 相加平均と相乗平均
直角三角形の外接円を考えると斜辺は外接円の直径になることに着目します。
斜辺が直角からの垂線との交点によって長さがm,nに分けられているとすると
外接円の直径はm+nであるから半径はm+n2
直角三角形の垂線の長さは幾何平均定理よりmnとなります。
垂線の長さは半径を最大としてそれ以上の長さになることはないので
m+n2mn
が成り立ちます。
垂線の長さが半径と等しくなるとき、直角三角形は直角二等辺三角形となり垂線は斜辺に対する垂直二等分線となるため、
m=nm+n2=mn
となることがわかります。

外部リンク:Geometric mean theorem - Wikipedia

Share:
share
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

Blog Archive

PR

blogmura_pvcount
ブログランキング・にほんブログ村へ