$a>0,b>0$のとき
\begin{equation}\frac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab}\end{equation}
が成立し、等号は$a=b$のとき成立します。
等号の成立条件
なぜ、等号が成立するときの条件が$a=b$の時なのかは、
\[\frac{a+b}{2}=\sqrt{ab}\]
を変形するとわかります。
両辺の2倍して、
\begin{equation}a+b=2\sqrt{ab}\end{equation}
両辺を2乗して、$a$について解くと
\begin{align*}(a+b)^2=a^2+2ab+b^2&=4ab\\ a^2-2ab+b^2&=0\\
(a-b)^2&=0\\ a-b&=0\\ \\ a&=b\end{align*}
となるためです。
最大値と最小値 どっちがわかる?
相加平均と相乗平均の関係を利用して最大値と最小値のどちらがわかるかは、相加平均と相乗平均のどちらが問われているかで変わります。
最大値
相乗平均$\sqrt{ab}$のとる値の範囲を問われたときは最大値がわかります。
このとき、相加平均は定数となります。
例として
\[f(x)=x(6-x)\quad(0<x<6)\]
のとる値の範囲と等号が成立するときのxの値を求めよ。
相加平均と相乗平均の関係より、\begin{align*}\frac{x+(6-x)}{2}=3&\geqq\sqrt{x(6-x)}\\ \sqrt{x(6-x)}&\leqq3&\cdots(a)\\ x(6-x)&\leqq9\end{align*}等号成立は$x(6-x)=9$すなわち$x=3$のとき成立する。
最小値
相加平均$\dfrac{a+b}{2}$のとる値の範囲を問われたときは最小値がわかります。
このとき相乗平均は定数となります。
場合によっては変形した(2)の式
\[a+b\geqq 2\sqrt{ab}\]
を利用します。
例として
\[x+\frac{7}{x}\quad (x>0)\]のとる値の範囲と等号が成立するときのxの値を求めよ。相加平均と相乗平均の関係より、\[x+\frac{7}{x}\geqq2\sqrt{x× \frac{7}{x}}=2\sqrt{7}\quad\cdots(b)\]等号成立は$x+\frac{7}{x}=2\sqrt{7}$すなわち$x=\sqrt{7}$のとき成立する。
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