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2021年9月11日

2次関数の頂点と1次関数との交点でできる三角形の面積

「2次関数$y=x^2-4x+1$と1次関数$y=-x+5$の交点2点をx座標の小さい方から$\text{A, B}$とし、2次関数の頂点を$\text{P}$とする。このとき、$△\text{ABP}$の面積を求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいでしょうか?

 まずは、$y=x^2-4x+1$と$y=-x+5$の位置関係を把握するために、グラフの概形を描いてみます。
 $y=x^2-4x+1$を平方完成します。
\begin{align*}y&=x^2-4x+1\\[0.5em] y&=(x^2-4x+4)-4+1\\[0.5em] y&=(x-2)^2-3\end{align*}
上の式より、軸は$x=2$、頂点$\text{P}$は$(2, -3)$であることがわかります。

この問題では重要度は低くなりますが、$y=x^2-4x+1$のx軸との交点は、解の公式より$x=2\pm\sqrt{2}$なので$(2-\sqrt{2}, 0), (2+\sqrt{2}, 0)$、y軸との交点は$x=0$のとき$y=1$なので$(0, 1)$となります。
また、$y=-x+5$のy切片の座標は$(0, 5)$です。

 $y=x^2-4x+1$と$y=-x+5$の交点の座標を調べます。
\begin{align*}x^2-4x+1&=-x+5\\[0.5em] x^2-3x-4&=0\\[0.5em] (x+1)(x-4)&=0\\[0.5em] x&=-1, 4\end{align*}
それぞれの$x$における交点の$y$座標は
\begin{align*}x=-1&における交点のy座標\\ y&=-(-1)+5=6\\[1em] x=4&における交点のy座標\\ y&=-4+5=1\end{align*}
以上から交点の座標は$\text{A}(-1, 6), \text{B}(4, 1)$であることがわかります。

ここまででわかったことからグラフを描くと下図のようになります。
y=x^2-4x+1とy=-x+5のグラフ

$△\text{ABP}$の面積

 $y=x^2-4x+1$と$y=-x+5$のグラフより$△\text{ABP}$は下図のようになります。
△ABP
この三角形の面積をどのように求めればよいでしょうか?
△ABPを△ACPと△BCPに分割
 $△\text{ABP}$を直線$x=2$で切り分けます。線分$\text{AB}$と$x=2$の交点を$\text{C}$とすると、$△\text{ACP}$と$△\text{BCP}$の2つにわかれるので、共通の辺$\text{CP}$を底辺としてこれらの面積を求めます。

まずは$\text{CP}$の長さを求めます。$y=-x+5$において$x=2$のとき$y=3$なので、点$\text{C}$の座標は$(2, 3)$です。
したがって、点$\text{C, P}$のy座標より$\text{CP}$の長さは、
\[\text{CP}=3-(-3)=6\]
となります。

$△\text{ACP}$の高さは、点$\text{A}$から直線$x=2$へおろした垂線の足$(2, 6)$までの距離に等しいので
\[2-(-1)=3\]
$△\text{BCP}$の高さは、点$\text{B}$から直線$x=2$へおろした垂線の足$(2, 1)$までの距離に等しいので
\[4-2=2\]
となります。

したがって、$△\text{ABP}$の面積は、
\begin{align*}△\text{ABP}&=△\text{ACP}+△\text{BCP}\\[0.5em] &=\frac{1}{2}\times3\times6+\frac{1}{2}\times2\times6\\[0.5em] &=9+6\\[0.5em]&=15\end{align*}
と求まります。

 辺がx軸やy軸に平行でない今回の問題のような場合は、x軸やy軸に平行な補助線を頂点を通るように引いて、面積を求めやすい図形に切り分けることで解き進めます。

2次関数のx軸との交点やy軸との交点の重要度が低いとしたのは、今回の問題がグラフを描けという問題ではないからです。面積を求める際にこれらは使わないので重要度が低いとしました。解答にグラフが要求されている場合は、必要となります。

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