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2021年9月16日

2次式の因数分解と平方完成の違い

 例として$x^2-6xy+5y^2$という多項式について考えます。

因数分解すると、
\begin{align*}x^2-6xy+5y^2&=x^2-xy-5xy+(-1)×(-5)y^2\\ &=\underline{(x-y)(x-5y)}\end{align*}
平方完成すると、
\begin{align*}x^2-6xy+5y^2&=(x^2-6xy+9y^2)-9y^2+5y^2\\ &=\underline{(x-3y)^2-4y^2}\end{align*}
となります。

 因数分解は、$(x-y)$と$(x-5y)$が省略されていますが"×"でつながっています。
$A× B$の$A$と$B$のように"×"でつながっているものを因数といい、因数だけの式にすることを因数分解といいます。
$A$や$B$に入るのは$x-y$や$x-3y$のような多項式がカッコで囲われているものも含まれます。

 一方、平方完成は$(x-3y)$が2乗であるから"×"でつながっていることになりますが、$4y^2$とは"-"でつながっています。
すべて"×"でつながっていないので、平方完成と因数分解は別物です。

また、平方完成した式は
\[A^2-B^2=(A+B)(A-B)\]
という、展開の公式を利用して因数分解ができるので、
\begin{align*}x^2-6xy+5y^2&=(x-3y)^2-4y^2\\ &=\left\{(x-3y)+2y\right\}\left\{(x-3y)-2y\right\}\\ &=\underline{(x-y)(x-5y)}\end{align*}
と、因数分解したときと同じ式になります。
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